コンビニ大手が閉店も、業界衰退を唱えるのは時期尚早

コンビニ大手が閉店も、業界衰退を唱えるのは時期尚早。

タグ:コンビニ大手 閉店

発信時間:2020-05-19 16:16:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 中国の大手コンビニ「全時」が突如閉店となった。「感染症の影響が深刻で、戦略的な調整を余儀なくされた」そのプレスリリースによると、全時の閉店の原因は新型コロナウイルス感染症だ。感染期間中、コンビニ全体の経営状況はどうなっているのだろうか。


 中国チェーン経営協会の統計によると、一部のコンビニは感染期間中に高い成長率を記録したが、一部では売上が大幅に減少した。コンビニ業界の第1四半期の平均水準は前年同期比10−15%減となった。


 感染症の影響はその一面に過ぎない。コンビニは元来、高コスト・低利益の経営モデルだ。KPMGと中国チェーン経営協会が昨年5月に共同発表した「中国コンビニ発展報告書2019」によると、店舗のランニングコストは2018年も高い水準を維持した。うち家賃は34%、店員の人件費は60%を占めるが、店によって差がある。コンビニの純利益率がマイナスは25%で、0−2%は37%。


 コンビニ大手の全時の急な閉店により、一部の人はコンビニ業界の衰退を唱え始めている。コンビニ業界の先行きはどうなっているのだろうか。


 大きな環境を見ると、国内のコンビニ業界は良好な発展の流れを示している。中商産業研究院が発表した「中国コンビニ業界市場先行き及び投資機会研究報告書2020−25年」によると、中国のコンビニの2018年の売上は2264億元で、業界の成長率は19%にのぼった。店舗数は12万2000店。2019年の店舗数は前年比10.3%増の約13万5000店で、売上は24.2%増の約2812億元。


 新店舗のオープンが相次ぎ、コンビニ業界の拡大の流れが続いている。「好隣居」は昨年9月、フランチャイズ契約の条件緩和を発表し、オーナー勧誘を加速した。「便利蜂」は昨年9月に1000店突破を、今年2月には全国1500店突破を宣言しており、現在もオープン準備を進めていると発表した。ローソンは4月中旬、河北省進出を正式に発表した。北京市、天津市に続き、京津冀一体化の事業展開を加速する。ローソンの3月末現在の中国店舗数は2500店以上にのぼる。


 成長率が高いほか、コンビニの収益力も改善されている。「中国コンビニ発展報告書2019」によると、2018年の1店舗あたりの1日平均売上は前年比7%増の5299元だった。純利益率がマイナスのコンビニは昨年2%減少し、純利益率が4%以上のコンビニは3%増で全体の5分の1を占めた。


 注意すべきは、コンビニ発展を促進する政策が検討中であることだ。北京市発展改革委員会は今月12日、「市政府の固定資産投資による便民商業施設プロジェクトの支援に関する管理規定(試行)(意見募集稿)」について、対外的に意見を募集した。それによると、コンビニ(スーパー)などを含む新設もしくは建設中の5種の便民商業施設プロジェクトが資金援助を申請できる。投資総額の30%、さらには50%の支援を受けられる。


 また感染症の衝撃を受け、コンビニ業界に存在する一部の問題が浮き彫りになった。例えば経営能力とサプライチェーンの効率の強化が待たれる。中国チェーン経営協会の王洪涛常務副秘書長は「コンビニ経営は苦しい業界だ。感染症は業界の売上にダメージをもたらしたが、コンビニのキャッシュフロー管理能力、緊急対応能力、サプライチェーンの能力、デジタル化の能力などの全面的なアップグレードと更新を促した。感染終息後は昔に戻るのではなく、新たな未来を切り拓くことになる」と述べた。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月19日

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