中国が主導する経済フォーラム「博鰲(ボアオ)アジア・フォーラム」は2日、『感染症の流行と変化の世界』と題するリポートを発表した。同フォーラムのグローバル健康フォーラム第2回大会の準備作業に関するオンライン専門家会議で発表されたもの。同リポートは、新型コロナウイルスに関する同フォーラムの研究結果をまとめ、同感染症発生以降の世界の政財界要人や有識者らがオンライン・シンポジウムで発表した見解を収録したもので、世界における感染症の流行状況を振り返り、各国の対応策について評価している。
リポートは、新型コロナ感染症はこの3カ月間で世界210以上の国・地域に拡大し、約70億人に影響を及ぼしたとした上で、最終的な感染者数は現時点で分かっている全ての感染拡大状況を上回る恐れがあると指摘した。
その上で、最先進国を含め感染拡大の深刻な国では前例のない医療システムの崩壊が起きており、今回の事態の深刻さがうかがえると懸念を示した。現在、世界では地域別にそれぞれの対応が行われている段階であり、アジア諸国は新型コロナ対応の「優等生」とされているが、その中でも中国が最も優秀と評価されている。中日韓3カ国は新型コロナ対応で相互に応援と支援を行い、団結と協力、課題対応という点で世界の模範となったと評価した。
同フォーラムの李保東事務総長は、この感染症は極めて明確な形で世界に警告を発していると指摘。地球という同じ村に住む人類は運命共同体となっており、世界が直面する試練に誰とも協力せず独りよがりに陥るような国があってはならない。同フォーラムは一貫して、多国間主義(マルチラテラリズム)を堅持し、国際協力を強化してこそ、世界的な試練によりうまく対応できると述べた。
リポートは、新型コロナは世界経済や安全保障、経済発展に重大な影響を及ぼしたが、国際秩序と人類社会の進化を加速させると指摘。新型コロナの感染拡大によってグローバル化という大きな流れが止まることはないが、その要素や意味合いには新たな変化が生じる可能性があると述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月6日