アジアインフラ投資銀行(AIIB)第5回理事会年次総会(テレビ会議)の開幕式で、習近平国家主席は「AIIBの創設メンバーは57カ国だったが、すでに六大州の102カ国に発展しており、すでにメンバーに200億ドル弱のインフラ投資を提供している」と述べた。世界経済が大きく後退し、グローバル化が逆流に直面するなか、AIIBの好調ぶりが得難い見どころであることは間違いない。
AIIBの友人の輪が広がっているのは、開放と包容という協力の初心に根ざしているからだ。AIIBは発展途上国を中心とし、同時に多くの先進国が含まれる。この優位性はAIIBに多国間主義の独特の気質を与え、かつ各国の協力を推進する橋梁・紐帯にしている。新型コロナウイルス感染症が世界に衝撃をもたらすと、AIIBは速やかに行動した。緊急基金を設立し、国際機関の集団的な連携の中で重要な力を発揮している。危機における力強い行動はAIIBの責任感を示し、世界の感染症との戦いに団結・協力の積極的なエネルギーを注ぎ込んだ。
AIIBの友人の輪が広がっているのは、国民生活の幸福という最大公約数を把握しているからだ。「投資プロジェクトは現地人の生活を改善し、現地人に幸福をもたらさなければならない」は、AIIBのプロジェクト投資の重要な評価基準であり、発展の温もりを活き活きと反映している。バングラデシュの電力供給システムのアップグレードは、同国の農村部の1000万人以上に恵みをもたらす。インドネシアのインフラ改善・アップグレードにより、数百万人が清潔な飲用水を手にした。これらの協力プロジェクトは、共同発展を促進し各国の人々に福をもたらすAIIBの実務的な行動を説明し、無数の一般人の夢を叶えている。
今年の年次総会には郎報が伝わった。リベリアの加盟国申請が可決され、AIIBの103番目のメンバーになった。AIIBの発展と拡大は時代の流れに順応し、開放と協力が人心の赴くところであることを反映している。世界経済が苦しい時を迎えるなか、第3回中国国際輸入博覧会まで残すところ100日となり、多くの出展企業がこぞって参加し、展示ブースの「売り切れ」が再び生じている。「一帯一路」の建設が着実に推進され、各地を結ぶ中欧班列が経済貿易の血流をスムーズにしている。第8回中欧経済貿易ハイレベル対話に豊富な成果と共通認識があり、業界に自信をもたらした。
保護主義と一国主義の影が差すなか、中国による協力の熱波は再び、互恵の提唱と多国間主義の実践は中国の揺るぎなき選択であり、国際社会の普遍的な共通認識であることを示した。この苦楽を共にし、風雨のなか同じ舟に乗る世界では、相互接続の橋を取り外すことも、協力とウィンウィンの道を塞ぐこともできない。習主席が指摘したように、平和と発展は依然としてこの時代のテーマだ。感染対策にせよ経済回復にせよ、各国は相互支持、団結と協力により危機に打ち勝ち、共に光あふれる未来を切り拓くことができる。(筆者・辛識平)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月30日