デジタル人民元とは? まず「4+1」エリアで試行

デジタル人民元とは? まず「4+1」エリアで試行。

タグ:デジタル人民元

発信時間:2020-08-18 15:40:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


    モバイル決済が私たちの日常生活に深く溶け込むにしたがって、デジタル人民元の利用シーンも珍しいものではなくなってきた。穆氏は利用シーンを次のように描写する。「携帯電話にデジタル人民元のデジタルウォレットが入っていれば、ネットワークさえ不要だ。電話に電源が入っている状態で、携帯電話同士を『近づけて接触させる』だけで、一方のウォレットにあったデジタル通貨を、もう一方のウォレットに移動させることができる」。


   これは今の非接触型決済手段に似ているが、違いもある。デジタル人民元は決済時に銀行口座と紐付けする必要がない。一方で、微信支付(WeChatpペイ)や支付宝(アリペイ)の決済・振り込みはバックグラウンドで引き続き銀行カードとの紐付けが必要だ。


デジタル人民元とビットコインの違いは?


   人民銀行がデジタル通貨の研究を始めると発表した時には、多くの人がよく理解できず、人民銀行版の「ビットコイン」を発行するのだと考えた人もいた。


   易氏がさきに明確に指摘したように、「デジタル人民元は開発作業において技術ロードマップを設定せず、市場での公平な競争でより優れたものを選べるようにし、ブロックチェーン技術を検討する可能性もあれば、既存の電子決済を基礎として進化した新技術を採用する可能性もあり、市場の積極性と創造性を十分にかき立てることになる」という。


   ここからわかるのは、ブロックチェーンはデジタル人民元の開発で検討される技術ロードマップではあるが、唯一の選択肢では決してないということだ。


   ここ数年、ブロックチェーンが大量の企業や資本の参入を呼び込み、このことと関連した「暗号通貨」もホットワードになった。一方で、ビットコインを代表とする暗号化されたデジタル通貨は一定の熱心な支持者を獲得した。また一方で、ブロックチェーンの「看板」を掲げた違法な資金集めがしばしば発覚している。


   このため、多くの専門家が、「デジタル通貨の未来は『投機行為』と切り離すことが必須だ」と率直に述べ、前出の穆氏も、「『人民元は使うもので投機するものではない』との方針を堅持する必要がある」と強調した。ここからわかるのは、デジタル人民元は流通し使用するものであり、決して投機の対象となり金儲けのために使われるものではないということだ。


いつデジタル人民元を使えるようになるか?


   人民銀行は14年に法定デジタル通貨の研究をスタートした。17年末には、国務院の承認を経て、一部の実力ある商業銀行と関連機関を組織して共同でデジタル人民元システム(DC/EP)の研究を展開した。それではいつになればデジタル人民元の真の姿が明らかになるのだろうか。


   人民銀行によれば、現在、デジタル人民元はグランドデザイン、標準の制定、機能の研究開発、連携調整テストなどの作業がほぼ完了しており、これから深セン、蘇州、雄安新区、成都と22年冬季五輪会場で内部閉鎖型テストが行われる。順調にいけば、北京冬季五輪で全容の一端が明らかになるという。


    デジタル通貨を実際に投入し使用するには、理論の信頼性、システムの安定性、機能の実用性、プロセスの利便性、シーンでの応用性、リスクのコントロール可能性を検証しなければならず、またマネーロンダリング対策、テロ資金調達対策、脱税対策といった監督管理の要求にも応えなければならず、一連の研究、テスト、評価、リスク対策などをクリアする必要がある。このため、人民銀行もたびたび表明しているように、デジタル人民元にはまだ公開されたタイムテーブルはない。(編集KS)


「人民網日本語版」2020年8月18日


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