アディダスは先ごろ、2020年第2四半期の業績を発表した。それによると、4-6月期の売上高は35%減の35億79000万ユーロ、純損失は3億600万ユーロで、前年同期の4億6200万ユーロから赤字に転落。2020年上半期の売上高は26%減の83億3200万ユーロとなった。
こうした中、アディダスとっては大中華圏が業績回復のメイン市場となった。5月と6月は共に2ケタの増収を達成し、第2四半期の業績も前年と同水準に達した。
ナイキにとっても大中華圏は、感染症の流行中に世界で唯一増収を達成したエリアとなり、売上高と純利益がどちらも増加。また、大中華圏はナイキの成長が最も早い市場として、2019年度第1四半期まで21四半期連続の2ケタ成長を遂げていた。
「2020年第2四半期は、私がこの業界に関ってから最も困難な四半期だった」とプーマCEOのビヨン・グルデン氏は業界の状況を説明する。プーマの財務報告書によると、2020年上半期の純損失は5940万ユーロに上り、前年同期の1億4410万ユーロから赤字に転落。ただ、グローバル市場が2ケタの減収となるなか、第2四半期の大中華圏の売上高は15.6%増え、プーマの業績では数少ない明るい材料となっている。
業界が冷え込む中、電子商取引(EC)事業はスポーツ用品世界大手が増収を維持するための新たなエンジンとなった。
アディダスでは、感染症の流行中に直営ECと提携ECが売上高の3分の1以上に貢献した。