ブルームバーグは12月1日、「中国は米国を抜いてアジア太平洋地域の企業にとって最大の市場になった」とするHSBCホールディングスが発表した最新調査結果を掲載した。HSBCは、新型コロナの感染拡大が世界経済の構造転換を加速させているとも強調した。
調査対象となった企業のうち、28%が米国を最大の貿易相手国だとした一方、29%は中国を最大の貿易相手国に挙げた。コロナ禍で影響を受けたにもかかわらず、貿易全体の見通しは依然明るく、調査対象企業の72%は向こう数年先の見通しについてポジティブに捉えていると回答。昨年の81%から減ったものの高い水準を維持した。
この2年間に米国は自国の企業や労働者の利益を守るため、中国の台頭を阻止するべく貿易戦争を仕掛けた。一方、HSBCの調査によると、中国との「デカップリング(切り離し)」はトランプ政権の思惑通りにいかなかったばかりか、生産がアジア太平洋地域の集散地に分散してしまい、米国に回帰することはなかった。
貿易金融を手掛けるHSBCグローバル・トレード&レシーバブル・ファイナンスのグローバル・ヘッドを務めるナタリー・ブライス氏は「西から東への地域シフトとアジアの台頭が加速している」と指摘。アジア・太平洋地域の貿易は米国の保護主義とコロナ禍の下で拡大を続け、それが転機となったとした上で、同地域の15カ国が先月、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に署名したが、こうした傾向は今後も続くとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年12月6日