品質が国産品の人気を支える
杭州市で働く95後(1995年から1999年生まれ)の秦南臨さんは撮影するのが好きで、旅行中に見聞きしたことを記録にとどめ、仲間とシェアしている。最近撮影したビデオブログの画面は、ドローン「Mavic Mini2」かジンバルカメラ「Osmo」で撮影したものが大多数を占める。「一眼レフも持っていくが、使う頻度はこの2種類の製品にはるかに及ばない」という。
ドローンもジンバルカメラも大疆の製品で、China-Z 100にも選ばれたものだ。
大疆の関係責任者は、「以前なら旗艦機種だけに備わっていた機能が、今では入門機にも備わるようになった。航空撮影が好きだが価格には敏感な一部の若者にとって、こうしたコストパフォーマンスの高い製品が購入のハードルを大幅に引き下げ、人々とドローンとの距離を縮めた」と話した。
コストパフォーマンスについて言えば、小米も欠かせないブランドだ。
現在、世界最大の消費類のモノのインターネット(IoT)プラットフォームは米家であり、米家アプリに対応した人工知能(AI)とIoTの融合したAIoTデバイスは2億8千万台を超える。小米がスマートライフ事業として早くから手がけてきた製品で、このたびランキング入りした空気清浄機は、発売されると当時の業界の標準価格の3分の1というコストパフォーマンスの高さで、ユーザーに好評だった。
しかしコストパフォーマンスがブランドの唯一の切り札ではない。製品を理解する若者にとって、より重要なカギは製品の価値が価格に見合うかどうかだ。「細かくそろばんをはじく」ところと、「金遣いが荒い」ところと、この矛盾する要素が現在の若者の中で時に対立し、時に統一される。消費高度化でも消費のグレードダウンでも、若者の消費心理を正確に描写することは不可能で、「消費の分化」と言うのがより適切だ——こう考えると鍾薛高の人気もよりよく理解できる。
ブランドは若者と同じ波長で共振することが必要
インターネットでマーケティングが行われる時代には、「人気商品」を打ち出すのはもちろん大変なことだが、より難しいのはブランドのバージョンアップが加速する時代に、どうやってユーザーを引き寄せ、とどめておくかだ。「ネットの人気者」から「息の長い人気者」になるにはどうすればよいか。調査に答えたブランドには1つの共通認識がある。それはユーザーの参加ということだ。取材を受けたブランド側によると、若いユーザーには自分を表現したいという強い欲求があり、小紅書、微博(ウェイボー)、天猫、微信(WeChat)などのプラットフォームはブランドとユーザーのために豊富なコミュニケーションのチャンネルを提供しており、ユーザーを理解することはそれほど難しくない。カギは忍耐力をもって謙虚に耳を傾けられるかどうかだ。
鍾薛高の場合はこうだ。オンラインで流れを引き寄せ、オフラインの実店舗が鍾薛高ブランドとユーザーとの体験型相互交流の機能を担う。店舗ごとにさまざまなテーマの装飾をして、消費者に違った雰囲気を味わってもらう。特色あるテーマや話題性のあるポップアップ・ストアを打ち出して消費者に店に来て商品をチェックし、体験し、共有してもらい、情報を拡散してもらって伝達効果を狙う。
大疆もZ世代の消費の訴求に十分な関心を払う。関係責任者は、「この層は1995年から2010年までの間に生まれた若者で、生まれ育った家庭環境は全体として以前よりもよく、価値観を形成する重要な時期にモバイルインターネットとSNSがもたらしたボーナスを直接享受してきた。科学技術と知識を重視し、成長を渇望し、自己表現が得意で、世界とつながりたいと考えている」と話した。
China-Z 100ランキング発表会で、司会者は、「若者は暮らしの質を追求し好きなものに投資する。これが中国の商品の設計や研究開発にとって非常に大きな挑戦をつきつけている。Z世代の若者と共振できる商品でなければ、最終的に彼らが受け入れたいと思う商品にはならない」と話した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月10日