また電子製品が「日々進化する」時代の中、若者はさまざまな目新しい科学技術による睡眠サポート商品を試し始めている。たとえば微量の電流で大脳皮質の神経伝達物質を刺激して感情を調節するスマート睡眠サポート装置、低周波マッサージ方式でひたいにある眠りのツボを物理的にマッサージするハイテクスマートゴーグルなどのほか、寝言を記録する機能やスマート目覚まし機能を備えた睡眠サポートアプリケーションなどもある。
大まかな統計では、アップルストアにはカタツムリ睡眠、ホタル睡眠、ホワイトノイズなどを代表とする睡眠サポートサプリが10種類以上ある。中国で初めて人工知能(AI)睡眠サポートロボットを発表した衆徳智能の創業者の賈相晟氏は、「子どもは眠れなければおもちゃがあるが、大人には睡眠をサポートするちょうどよい商品がなかった。睡眠サポートロボットは大人を新鮮な気持ちにし、心の隙間を埋めてくれ、早くぐっすりと眠れるようにしてくれる。睡眠ロボットは大人の『ゆりかご』だ」と話した。
ここ数日、睡眠サポート商品はハイテク化しており、価格もますます高くなっている。市場でよく見かける睡眠サポート装置の場合、価格は100元ちょっとから数千元、1万元ほどと様々だ。高額でも消費者は躊躇せず、各ネット通販サイトで1万点以上売り上げた商品が少なくない。
睡眠経済が静かに台頭世界保健機関(WHO)は「ぐっすり眠れること」を健康の重要な指標としている。睡眠のためならお金を使おうとする人が増えた背後には、睡眠や健康がより一層重視されるようになったことがある。よい眠りに対する差し迫ったニーズが中国の大規模な睡眠産業市場を生み出した。大まかな統計では、中国の広い意味での睡眠市場(寝具や家具などを含む)の規模はすでに1兆元に達している。
ますます拡大する睡眠市場を前にして、関連企業の起業が相次いでいる。調査会社の天眼査がまとめたデータでは、現在の市場には「睡眠」、「スマート睡眠商品」、「睡眠サポート」のいずれかを掲げた企業が200社以上ある。そのうち半分以上が15年以降の創業だ。これと同時に、中国内外の多くの大企業も次々に睡眠市場に力を入れるようになった。ノキアはフランスの健康機器メーカーのウィジングズを買収すると発表。またアップルはフィンランドの睡眠自動記録アプリ会社のベディットを買収した。さらに蒙牛や旺旺、娃哈哈、コカ・コーラなどの企業も次々に睡眠サポート飲料を発売するなど、睡眠ビジネスはますます拡大している。データをみると、今年、中国の睡眠経済の市場規模は4千億元を超え、30年には1兆元を突破する見込みだ。
「オンライン報告」によると、睡眠サポート類の生活雑貨のうち、手軽な安眠スプレーは19年の取引額が前年の33倍に増えた。市場の基数が大きい足湯用入浴剤とアロマ類商品の取引額は同50%以上増加した。購入者をみると、26-35歳の若いホワイトカラー、大学生、大学教員、小都市居住者がこうした小型の睡眠サポート商品を最もよく買っている。