開通した当初、列車は1カ月で1本のみだったが、その後1週間に1本になった。現在は毎日、欧州と中国を貨物列車が往復している。中国国家鉄路集団のデータによると、昨年の11月5日までの国際定期貨物列車「中欧班列」の運行本数は1万180本にのぼっている。これは1日約30本の計算だ。中欧班列はコロナ禍の中、力強く成長している。独テレビ局が7日、伝えた。
成都市は中国の内陸部に位置し、最も近い港からも2000キロ離れている。線路は貨物を欧州に運ぶ理想的な手段だ。欧州のチーズやチョコレートなども冷蔵容器に入れられ、鉄道で中国に運ばれる。
中欧班列の輸送量は過去数年で急増を続けた。新型コロナウイルスの危機の中、欧州の「メイド・イン・チャイナ」への需要が旺盛だ。ドイツ西部の都市・デュースブルクが発表したデータによると、デュースブルクと中国の間で4月の毎週、50本の貨物列車が運行した。現在は運行本数が毎週60本以上に増えており、貨物輸送量が前年同期比で倍増している。鉄道コンテナ輸送の料金は空運の半額以下で、輸送時間は海運の半分の約2週間。中欧班列は現在、需要に供給が追いつかない状況で、特に中国発の需要が旺盛だ。
しかし中欧班列は依然として一部の問題に直面している。まず、中国・欧州とロシアの軌間が異なり、途中で「履き替え」が必要になる。また国境通過が遅れることがあり、輸送時間が長くなる。他にも中国発欧州着の列車は通常満載だが、逆方向は通常3分の1のみだ。
しかしながら、運輸業界は中欧班列の将来に期待している。中国・欧州間の列車のスピードを上げることでより多くの輸送力を提供するなど、中欧班列は大きな潜在力を持っている。EUは貨物輸送における炭素排出の削減を推進しており、排出量が少なめの鉄道輸送による空運の代替が進む可能性がある。中国は成都市や西安市などの西部中枢都市発の中欧班列が、発展が遅れている西部地区の経済発展をけん引することを願っている。中欧鉄道は「一帯一路」イニシアチブの一環、古代シルクロード復興の重要なシンボルでもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月8日