スマホケースやスナックの包装、おもちゃや人形、猫の足の形をしたコップなどの人気現象から、「萌え経済」が現れ、新しい経済業態になっていることがうかがえる。
90年代生まれの于子涵さんの寝室はピカチュウのおもちゃ、ポスター、キーホルダーなどがたくさんあり、ピカチュウの要素に溢れている。彼女はピカチュウのおもちゃやグッズに年間約1000円以上を費やす。于さんのように、かわいいものが好きでたまらない人は少なくない。
「萌え文化」から派生した「萌え経済」ピカチュウが好きな理由について、于さんは「ピカチュウは本当に可愛く、特に映画やテレビで見るピカチュウは性格が可愛い。仕事を終えて帰宅しピカチュウを見ると気分がよくなる」と話した。
記者が某ECサイトで「ピカチュウ」と検索してみたところ、さまざまなピカチュウグッズがあり、その種類も充実している。映画『名探偵ピカチュウ』は2019年の公開時、興行成績トップを10日続けて維持し、5億ドルを突破した。データによると、過去20年で、ピカチュウをはじめとするポケモンの著作権所有者は商品の販売や関連ライセンスなどを通し900億ドル以上の利益を上げ、映画・アニメ・ゲームIPのカテゴリで1位となった。
「萌え経済」は「萌え文化」から派生したものである。一般的に、萌え文化は日本のアニメが起源で、都市文化のトレンドを形成していった。今では、インターネットサイトを通して萌え文化関連の消費が世界を席巻している。
中国科学大学新聞伝播学の張増一教授はこれについて、「萌え文化が急速に広まり発展した主な理由として、人々、特に若者の精神的ニーズを満たせたことが挙げられる。そのため、萌え経済は消費者の感情のニーズを満たす新しいビジネスモデルであり、ニューメディアの急発展にも助力した」と話した。
萌え経済は消費を促す重要な牽引力に
2019年夏、ユニクロはKAWSとコラボTシャツ「KAWS:SUMMER」を発表し、発売後すぐに大ブームを引き起こし、熱狂的ファンがユニクロの各店舗に殺到した。
スターバックスコーヒーの中国店舗は2019年、桜色の猫の足の形をしたコップを発売した。価格はやや高めだが、若者がこぞって買う商品となった。
ペッパピッグは2016年に11億ドルの売上高を記録。熊本県のマスコットキャラクターのくまモンは2011年から2013年で68億元の経済利益を上げた。萌え経済はここ数年で急速に発展し、消費を促す重要な力になった。
故宮も萌え路線にチャレンジし、萌え経済の中の重要な部分となっている。年間10億元を売り上げた「故宮の萌え人形」や、多くの故宮の知的財産権を用いたスタンプなど、600歳の故宮は萌え文化を通して若返りファッショナブルになり、庶民により親しまれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月20日