中国国家統計局は18日、2020年通年の国内総生産(GDP、速報値)が前年比2.3%増の101兆5986億元と、初めて100兆元の大台に乗せたと発表した。経済力、科学技術力、総合国力とも新たな段階に飛躍したとの見方を示した。
社会消費財小売総額(小売売上高)は39兆1981億元に上り、GDPに占める最終消費支出の割合は54.3%と、ここ数年の最高水準に達した。消費は依然として安定した経済運営のために欠かせない役割を担っている。固定資産投資も緩やかな回復を見せ、全国の固定資産投資は前年比2.9%増の51兆8907億元に上った。ハイテク産業や社会分野への投資が加速し、輸出入は予想を大幅に上回った。都市部の新規就業者数は1186万人と、通年目標の131.8%を達成、都市部調査失業率は前年並みの水準に低下した。所得水準は経済成長率に比例して伸び、都市部と農村部の所得格差は縮小が続いた。
2012年に50兆ドルを突破したGDPは20年に100兆ドルの大台に乗せるという大きな躍進を遂げたが、その背景には「十八大」(中国共産党第18回全国代表大会)以降、中国経済が前途多難な道のりを経て、質の高い発展を推進してきた歩みがある。
供給側の構造改革を継続的に深化していくとともに、新たな発展の理念が深く人々の心に染み込んで、中国経済の発展の質を変えてきた。
新たな原動力が加速している。科学技術の進歩による経済への寄与度は年々高まり、今や60%に近づいているほか、イノベーション最大の駆動力である「エンジン」は加速し続けている。ニューエコノミーはGDPの16%以上を占め、経済成長をけん引する重要な力となっている。グリーン成長の理念が発展の全プロセスを貫き、経済モデルの転換に向けた「グリーン原動力」を蓄積している。より少ない資源投入で環境が改善されると同時に経済発展も促進され、この5年間で単位GDPあたりのエネルギー消費量は13.2%減少した。