国内総生産(GDP)が前年比2.3%増と、世界の主要国で唯一プラス成長を実現。1人当たり可処分所得の実質成長率は経済成長と足並みを揃え、国民1人当たりの収入が2010年の2倍に増加。全国の実質外資利用額(金融分野除く)は前年比6.2%増となり、規模は過去最大を更新――2020年の中国経済統計が相次いで発表されているが、どの指標も勢いを感じさせる数値となり、複数の海外機関が「予想を上回る」と高く評価している。
「予想を上回る」というのは、2020年が特別な年だったためだ。新型コロナ感染症の流行で世界の主要国がこれまでにない深刻なダメージを受けたほか、各地で自然災害が相次ぎ外部環境が悪化、モデル転換と高度化の遅れなど厳しい試練に直面するなか、中国が年間でプラスの経済成長を実現するのは容易ではなかった。
「予想を上回る」というのはまた、成長の質が非常に高いためだ。過去に類を見ないダメージを受けながら、中国はプラスの経済成長を実現し、GDPは100兆元の大台を突破した。同時に、都市部新規雇用は年間目標の131.8%を達成し、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を10年前倒しで達成した。発展の恩恵は日増しに人々の幸福な生活に転化されており、そのポテンシャルは高い。
例年とは異なる中国の経済統計だが、予想外のように見えて、必然だったともいえる。そのスピードからエネルギーを見て、数字の裏にあるものに目を向ければ、その論理を見抜き、真の意義を読み解くことは難しくない。そして「中国の奇跡」に隠された力が持続的に続いていくことを確信できる。