中国石油集団公司はこのほど、2020年の同社の国内ガス生産量は初めて2億トンを突破し、うち天然ガスは1億トンで初めて原油生産量を上回ったと発表した。
天然ガス生産量の急増は最近になって発生したことではない。2017年から2020年、中国の天然ガス生産量は4年連続で100億立方メートルを超え、増加幅は当年の原油生産量の増加幅を上回った。
このような増加速度は企業の予想を超えている。「天然ガス生産量の原油超え」は中国石油の2030年までの目標だったが、10年早く実現した。
専門家は、このような状況が発生したのは、主に政策、特に環境保護政策に後押しされたためだと見ている。
クリーン・低炭素、安全・高効率のエネルギー体系を構築することは、世界の天然ガス産業の共通認識と発展方向になっている。『パリ協定』と『IPCC1.5℃特別報告書』は、2030年までに世界の年間排出量を半分に削減し、今世紀中頃までに排出ゼロを目指すと明確にした。関連の政策と目標の登場は、世界の伝統的エネルギー産業のモデル転換を加速した。
石炭と石油と比べて、天然ガスは用途が広い、安全、手軽、熱量が高い、エコなどのメリットがあり、中国が推進するエネルギー生産と消費の革命であり、クリーン・低炭素、安全・高効率の現代のエネルギー体系の重要な手段である。
消費サイドから見ると、環境汚染を削減するため、伝統のエネルギーに代わるクリーンエネルギーが全国範囲で普及している。「石油をガスへ」「石炭をガスへ」プロジェクトが進み、前者は主に交通エネルギー分野に及び、LNG燃料自動車専用船での普及が進んでいる。後者は天然ガスを都市ガス、産業燃料、化学工業原料、自動車用燃料などにする分野で主力軍となっている。