2030年までに炭素排出ピークアウトを実現し、2060年までにカーボンニュートラルを実現するという目標のもと、第14次五カ年計画の初年度にいかに全国炭素排出権取引市場(略称「全国炭素市場」)の建設を推進し、予定通り炭素排出削減の関連目標を達成するかは、今年の全国両会のホットな話題になっている。
生態環境部がこのほど発表した情報によると、全国炭素市場の建設はすでに最も重要な段階に入っており、今年6月末までに取引を開始する予定となっている。
中国は、2030年までにCO2排出ピークアウトを目指し、2060年までにカーボンニュートラルの実現に向け取り組むという目標を掲げた。
中国は2011年より7省・直轄市で地方炭素取引試行を開始し、積極的な進展があった。これを踏まえた上で、全国炭素市場初の契約履行期間が今年1月1日に正式に始まった。これには発電業界の重点排出2225社が含まれる。2月1日より「炭素排出権取引管理方法(試行)」が正式に施行された。これは全国炭素市場の建設及び発展が新たな段階に入ったことを意味する。
全国炭素市場の建設は現在まだ初期段階で、不備が残されていることに注意が必要だ。
中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)委員、中国石油化工集団公司副総経理の李永林氏は例を挙げ、「これは主に炭素取引制度体系が十分に健全化されておらず、割当が十分に科学的・合理的でなく、管理レベルが十全でないといった問題だ。例えば『炭素排出権取引管理方法(試行)』は上位の法律がなく、現時点ではまだ類似する環境保護法、エネルギー節約法など国家レベルの法律が打ち出されていない」と述べた。
全国人民代表大会(全人代)代表、中科煉化公司執行取締役、党委書記の呉惜偉氏は「全体的に見ると、国内の炭素取引市場の取り組みはまだ予定の目的を達成していない。企業はまた省エネ・排出削減で効果を手にしておらず、能動性が低い」と述べた。