座礁事件が発生してから間もなく、長栄海運は直ちに「エバーギブンの船主である日本の正栄汽船株式会社がすべての損失に対して責任を負うべき」と表明した。スエズ運河の制度にも、コンテナ船の操縦士が座礁させたとしても、船舶の運航会社が責任を問われるべきではないとしている。エバーギブンに2億ドルの保険金がかけられているため、長栄海運の損失は貨物輸送の遅れのみとみられる。ある保険マネジメント・リスクコンサルティング会社は、同種の保険金は通常1-2億ドルの間だが、賠償金は事故がどの程度深刻かによって決まるとした。
運河の渋滞による損失は計算が困難だが、直接的なコストが表面化している。28日付シンガポール華字紙「聯合早報」によると、スエズ運河の入口で通関を待つ大型原油タンカーは現在、1隻で毎日3-8万ドルの停泊料を支払う必要がある。海運会社には、エバーギブンの離礁を待つか、アフリカの喜望峰を目指すかという2つの選択肢がある。後者の場合、輸送料が30万ドル増える。さらに貨物船が購入する保険の9割に遅延が含まれないため、輸送の遅延による損失を誰が受け入れるかが物議を醸すことになりそうだ。
上述した海運弁護士事務所の関係者は「喜望峰から回る船は、費用が増え時間がかかる分の賠償を請求できない。これは経済的損失とされ、通常は賠償金を得られないためだ。船主も通常、その保険に加入しない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月29日