第14次五カ年計画と2035年までの長期目標綱要は、浙江省の質の高い発展を支援して共同富裕モデルエリアを建設することを打ち出した。これは決して偶然のものではない。なぜなら同省には独特の優位性と伝統が備わっているからだ。人口5850万人の中規模省(区・市)としての浙江省は、地域総生産(GDP)が1994年から17年連続で全国4位を保ち、2020年には6兆4613億元(1元は約16.6円)に達した。面積は全国ランキングで後ろの方だが、平野、盆地、海洋島、丘陵などさまざまな地形があり、その中で多様な都市・農村モデルを育んできた。
国家発展改革委員会の胡祖才副主任は、「浙江省は各方面の条件が優れており、各種の指標では、たとえば都市・農村格差指標、地域発展指標、富裕レベル指標などは、いずれも全国トップクラスだ。そういうわけで、綱要はこのたび浙江省の質の高い発展を支援して共同富裕モデルエリアを建設することを明確に打ち出した」と指摘した。
同省はこれまでたびたび中国の国家ガバナンスの現代化に手本と経験を提供してきた。改革開放がスタートすると、「実験田」の役割を引き受け、勇気をもってリード役を担い、同省のますます多くの効果的な経験が、総括と精選を経て再現され、全国に広がっていた。05年8月15日、当時の浙江省党委員会書記だった習近平同志は同省安吉県の余村を視察に訪れた際、「豊かな自然は金銀同様の価値がある」との理念を初めて打ち出した。今やこの理念は中国の社会全体の共通認識となり、行動となっている。現在、中国は農村振興戦略を全面的に実施し、美しい農村建設を着実に推進し、農村のグリーン発展の道のりを歩んでいるところだ。
最近発表されたデータを見ると、同省は20年度に旅行会社が企画した国内のべ旅行者数ランキングでトップになった。今年のメーデーの5日間の連休には、たくさんの人が出かけたり旅行に行ったりする予定で、同省は再び大勢の人が真っ先に訪れたい場所になっている。人々は同省を訪れて中国の美しい農村モデルがもつ独特の魅力を味わおうと、期待を高めている。
胡氏が述べたように、「浙江省の質の高いの発展を支援して共同富裕モデルエリアを建設するのは、主に共同富裕の体制・メカニズムと制度体系を探求・推進し、再現でき、普及拡大が可能な経験を積み上げ、共同富裕の取り組みを着実にしっかりと行なうことが狙いだ。外国人にとっては、中国の未来の発展の様子を知りたいと思えば、浙江省に何度も足を運びあちこち歩き回るのが、よい方法になるだろう」。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年4月22日