中国外貨取引センターの発表によると、6月1日、人民元の対ドルレート中間値は1米ドル=6.3572元と110ベースポイント上昇し、2018年5月以来の最高を再び更新した。5月24日から、人民元対ドルレート中間値は6営業日連続で上昇している。
6種類の主要通貨に対するドルの価値を示すドルインデックス(ドル指数)は5月31日に下落し、ニューヨーク為替市場の終盤までに89.8378に0.21%下落した。
人民元の持続的な上昇を踏まえ、中国人民銀行(中央銀行)は対策を講じている。5月31日、中国人民銀行は「金融機関の外貨流動性管理を強化するため、2021年6月15日から金融機関の外貨準備率を5%から7%に2%引き上げる」と発表した。
これに先立ち、5月27日に開かれた第7回全国外国為替市場自律メカニズム作業会議は、「現在の外国為替市場は全体的に均衡を維持しているが、今後為替レートに影響を与える市場要因と政策要因が多く、人民元が上昇し続ける可能性も下落に転じる可能性もある。為替レートの動きを正確に予測することは誰にもできない。短期的であれ中長期的であれ、為替レートの不確実性は必然であり、双方向の変動が常態となる。政府や機関にしても、個人にしても、予想に惑わされないようにしなければならない」と注意を促した。また、人民元為替レートの上昇と下落に賭けた判断をしないよう企業に呼びかけた。
最近の人民元レートの動向について、中欧国際工商学院教授・中国人民銀行調査統計司元司長の盛松成氏は、「近頃の一部の不当な言論に誘導され、人民元対ドルレートの変動にオーバーシュートの現象が現れている」とした上で、「現在の人民元の急激な上昇はすでに行き過ぎである可能性があり、将来的にみても持続不可能で、内外の経済・金融情勢とも合致しない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年6月2日