A株市場の配当分配の主力である銀行株の利益配当案が実施され始めている。6月8日、蘇農銀行は約2億7000万元の配当を実施した。金融情報サイト東方財富のデータによると、6月8日までに、A株市場上場銀行38行のうち8行が現金配当を実施しており、来週には農業銀行や紫金銀行が現金配当を実施する予定。招商銀行、工商銀行、民生銀行、交通銀行などの大手銀行による巨額の現金配当案も概ね決まっている。
農業銀行は6月8日、株主に対し、A株3192億4400万株をベースに10株当たり1.851元(税込み)の現金配当を行うという2020年度配当実施計画を発表した。農業銀行の現金配当総額は590億9200万元にのぼる。上場以来、農業銀行は11回、合計5730億700万元の現金配当を行った。
紫金銀行の2020年度配当実施案によると、当社は総株数36億6100万株をベースに、株主に10株当たり1元(税込)の現金配当を行う。紫金銀行の現金配当総額は3億6600万元となる。同社は上場以来、3回合計10億9800万元の現金配当を行った。
全般的に見ると、A株市場上場銀行の2020年度現金配当総額は4800億元を上回り、配当分配で国有大手銀行は依然として絶対的な主力となる。中でも、工商銀行は948億元でトップにつけている。配当率を見ると、上場銀行の約6割が30%前後を維持し、全般的に2019年の水準を上回る。招商銀行は約316億元、配当率33.02%に設定しており、2020年度に事業規模と収益で共に好調な江陰銀行の配当率は36%となる。
また、A株市場上場銀行は2020年度の配当で3 - 6%の配当利回りを維持している。配当実施済みの銀行を見ると、江陰銀行、南京銀行、青島銀行、蘇農銀行、蘇州銀行、常熟銀行の配当利回りはそれぞれ4.44%、3.79%、3.56%、3.28%、3.13%、2.82%だった。配当実施予定の銀行のうち、農業銀行、光大銀行、工商銀行、北京銀行などは5%以上の高配当率となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年6月10日