「『義新欧』中欧班列のおかげで、予定通り貨物を海外の取引先に発送できた」義烏国際商貿城3区の奥凱体育用品有限公司の棚には、各種スポーツ用ボールのサンプルが並べられている。同社が長年経営する自主ブランドは海外で名を知られている。同社の呉暁明総経理によると、義烏市を出発し新疆ウイグル自治区を経由する「義新欧」中欧班列の送料は海運と同等で、かつ海運より片道十数日早く到着する。
中欧班列の統一ブランドが打ち出されてから5年に渡り、「義新欧」中欧班列の輸送量が着実に増加している。「世界のスーパー」と呼ばれる浙江省義烏市及び周辺の長江デルタを欧州と結び、中国と欧州の貿易発展を促進している。
新型コロナウイルスの発生後、海運が滞り空運のスペースが不足するなか、「義新欧」中欧班列は国際感染対策物資の輸送、産業チェーン・サプライチェーン保障の重要な輸送ルートになっている。「義新欧」中欧班列(義烏プラットフォーム)の今年上半期の運行本数は737本で、発送したコンテナの数は前年同期比で149%増となった。
「中欧班列はすでに大手物流企業の必要な選択肢になっている。鉄道は空輸、海運と共に国際物流サプライチェーン保障の一部になっている」義烏市市場発展委員会の貝旭東副主任によると、統一ブランドが打ち出されてから5年に渡り、「義新欧」中欧班列の影響範囲が日増しに拡大し、14本の路線が開通した。ユーラシア大陸のフルカバーを実現した。また産業けん引効果を強め、中欧班列の輸送ルートから貿易ルートへの変化を促した。
義烏輸入商品城の棚には、スペイン産のワイン、ポーランド産の牛乳と蜜蝋、チェコ産の水晶製品、ドイツ産の金物工具など、「義新欧」中欧班列によって運ばれた貨物がぎっしり並べられている。義烏から全国に広がる商品と物流ルートにより、中欧班列はすでに沿線諸国・地域の企業が中国の巨大な市場で事業展開するための橋頭堡になっている。
「義新欧」中欧班列の常態化運行以降、欧州から戻る列車が徐々に増加し、一方的な輸出から相互補完に変化した。班列は招商集団や中外運などと事業提携し、欧州や中央アジアなどの国と地域の仕入先を掘り起こしている。輸入品は従来ならば日用消耗品が中心だったが、現在はこれに機械部品、綿糸、プラスチック粒子などの生産材料が加わっている。欧州から戻る列車は今年、累計197本にのぼっており、全体に占める割合は2020年の8.5%から25%に上昇している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月18日