大規模な景気刺激策でも改善しない米国の雇用統計

大規模な景気刺激策でも改善しない米国の雇用統計。

タグ:米国雇用

発信時間:2021-09-12 15:31:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 非農業部門新規雇用者数を先週発表した米国当局の前に避けて通れない難題が立ちはだかった。昨年から大規模に実施されてきた財政・金融刺激策は米国株式相場を押し上げる以外の効用が次第に弱まり、新たな感染症の蔓延によって米国の経済刺激策も行き詰まったことで「ツールボックス」は窮地に追い込まれようとしている。


 米労働省の最新統計によると、8月の非農業部門新規雇用者数は23万5000人で、7月の105万人と6月の96万2000人を大きく下回っただけでなく、市場予想の約72万人にも届かず今年1月以来の低水準となった。あるアナリストは、8月の非農業部門雇用者数の急減は感染症の蔓延に対する米国民の深刻な懸念を反映しており、新規患者数の増加が景気回復に影響を及ぼす懸念材料になるとの見方を示した。


 米国の感染状況はどのくらい深刻なのか。毎日10万人以上の新規患者が確認され、数百人の死者が出ているという統計に人々は慣れたかもしれないが、米国の同盟国が取った行動は説得力を持っている。EU理事会は8月30日、米国を「渡航安全国リスト」から除外すると決定した。緊密な同盟国であるEUの決定は、米国の実際の感染状況を反映しており、感染症が広がり続ける中、状況は2週間前より悪化した可能性すらある。


 感染症の影響は雇用や旅行に限らず、米FRBが徐々に明らかにしているテーパリング(量的緩和の縮小)のスケジュールを再び不透明にしている。FRBのパウエル議長は8月下旬に開催されたジャクソンホール会議で、デルタ株による感染症のリスクを見極めながら年内にテーパリングを開始できると話した。世界市場はテーパリングの規模と時期に注目しているが、多くの人が感染症のリスクを軽視し、8月の雇用統計で手遅れとなった。低迷する統計はFRBの雇用目標達成を遅らせ、9月にテーパリングが開始される可能性も大きく下がった。

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