スペイン「エコノミスト」の10日の報道によると、アナリストの間で「今は中国市場を離れる理由はなく、逆に中国債券への投資を継続すべき。同時に、投資対象を大手IT企業から中国国内企業に移転しないと、中国の成長から利益を享受し続けることはできない」との見方が出ている。
投資相談を受けた大手各社は、「中国への投資を維持すべきだが、投資戦略を変更する必要があり、大手IT企業ではなく国内成長を狙う企業からのリターンを狙うべき」と提案する。
米ウィズダムツリー・インベストメンツのリサーチディレクターであるアニカ・グプタ氏は、「中国は半導体や人工知能など多くの技術分野でリーダーを目指しているが、最終的には少数の人が企業の上場を通じて億万長者になるのではなく、一般の人々に利益をもたらすものでなければならない。中国の大手企業が国の戦略的目標に沿った取組を進めていることを考えると、社会全体でのより統一的な成長実現に向け、最近推し進められている改革はまだしばらく続く見通しだ。しかし我々は、これが中国への投資意欲に打撃を与えるとは考えていない。世界経済に占める中国経済の割合が非常に大きいためだ」と語る。
ユーリゾン・キャピタル・アジアのショーン・デボウCEOは、「中国政府は、全国の生活・教育コスト低減に向け、一連の監督管理措置を通じて問題解決を図っている」と指摘する。
アンドラ銀行資産運用部門ポートフォリオマネージャーのピラール・カナヴェット氏は、「こうした改革には、実体経済を後押しすることも含まれる」と考える。「中国政府は、生産力向上に力と資金を集中させて、実体経済の課題解決を図っている可能性がある。半導体や新素材分野での自立化を含め、軽工業技術よりも重工業技術の発展を優先したいもようだ。中国の指導者は、デジタル化は重要だが、実体経済はもっと重要だと強調している」と語る。
報道はまた、投資アナリストのギレルモ・サントス氏の話を引用し、「中国の成長は我々西側諸国が達成可能な水準をはるかに上回り、株式市場や債券市場は変わらずにこの点を反映している。投資家は辛抱強く、ポジション拡大の機会を捉えてほしい。国内外の、特に海外投資家は中長期的な視点に立ち、まもなく世界最大の経済大国となるはずの中国市場を信じ続けるべきだ」とした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年9月25日