自動運転が実現するまでに、あとどのくらいかかるのだろうか。自動車のエネルギー源は将来的に水素と電気のどちらになるのだろうか。スマートモビリティは、私たちの生活をどのくらい便利にしてくれるのだろうか。
このほど開かれた第4回中国国際輸入博覧会(輸入博)には、大手自動車メーカー10社のほか、業界を代表するサプライヤーやサービスプロバイダーが集まり、最先端の技術やソリューションを紹介し、スマートモビリティの近未来を描いてみせた。
自動車の展示コーナーには、一面の車やタイヤの間に、なぜか新鮮なトウモロコシが展示され、ひときわ異彩を放っていた。
「これは、黒竜江省の江尖山農場で生産されたトウモロコシ。昨年の輸入博で、中国農業大学との間で合意書を結び、土壌の圧縮硬化を低減したり、農機具を動かす際の燃料消費を減らしたりできる、革新的なタイヤ技術を導入したことで、農地の生態系改善につながった。このトウモロコシはその成果が段階的に得られていることを示している」
仏タイヤ大手ミシュラン中国エリアのカムラン・ヴォスギ社長兼最高経営責任者(CEO)はこう語り、今年の同社の展示会テーマとして、持続可能な開発に焦点を当てており、将来的に原材料から製品、生産、リサイクルに至るまで、全てに環境配慮を徹底させたいとの考えを示した。
自動車展示コーナーを見て回ると、各ブースのレイアウトから展示物の陳列に至るまで、そこかしこにエコロジーや低炭素を謳うものが多く見られた。
米ゼネラルモーターズは、SUV(スポーツ用多目的車)「ハマー」のフル電動ピックアップトラックを輸入博で初公開し、往年の名車を電動化して復活させた。独BMWグループの出展車種の半数を新エネルギー車で揃えた。英ジャガー・ランドローバーは「未来を再構築」戦略を推進し、電動化を加速させていた。
「中国が掲げる2030年までの二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトと2060年までの炭素中立(カーボンニュートラル)の二つの脱炭素目標達成に向け、われわれは『水素+電気』戦略を推進している。水素電池については、当社の車両は衝突試験にも走行試験にも合格している」