中国国際輸入博覧会はすでに4回目の開催となり、中国市場の強い魅力を十分にアピールした。ここ数年、中国市場では新消費・新業態が次々と登場している。アップグレードが止まらない消費需要や、輸入博に続く「ダブル11」など消費シーズンの影響で、企業の輸入博出展に対する「姿勢」が変わっている。
食品・農産物の展示ゾーンでは、4年連続で出展しているニュージーランドの乳業メーカー「ザ・ランド」(Theland)のスタッフが慌ただしくブースを案内していた。彼らはバイヤーであろうがメディア記者であろうが、来場者がソーシャルメディアプラットフォーム上で企業の公式アカウントやミニアプリをフォローできるように粘り強くサポートしている。この企業のブースではライブ配信スタジオを設置し、展示会をライブ配信している。
スタジオでは「人気のインフルエンサー」がライブ配信を行い、出展者の「思い」が輸入博で「顔をのぞかせる」頻度が益々高くなっている。第1回輸入博では、SNSの公式アカウントを告知した出展企業はそれほど多くなかった。第2回輸入博では、中国の消費者を熟知している出展企業がQRコードを告知し始めた。第3回輸入博では、ライブ配信スタジオが多くのブースに標準装備され、「輸入博クラウドショッピング」スタイルがますます一般的になった。より多くの「輸入博と同じモデル」がライブ配信動画で「支持」を得て、より多くの消費者につながるチャネルとなった。
QRコードからライブ配信スタジオへの移行に反映されているのは、中国の消費市場が絶えず進化しアップグレードしていることだ。中国の消費者はデジタル化された消費モデルを通じて情報を得ることに慣れており、鋭敏な出展者は消費側の特徴を把握し、プロモーションの手法を絶えず更新している。KPMG中国戦略コンサルティングディレクターの何穎氏は、ライブ配信などのマーケティングモデルが発展した根本的な要因は中国消費市場の高度なデジタル化にあるとみている。
今回の輸入博では、文化財・芸術品の展示コーナーに注目が集まっている。ここには高価な名画もあれば、クリエイティブな文化作品もある。海外の多くの出展企業は、消費者の個性と品質に対するこだわりに注目し、アーティスティックな要素を取り入れた文房具・カップ・置物などの小物を数多く出品している。ある農産物・食品展示エリアの出展者は、芸術品コーナーで気に入った製品を見つけ、その場で直接ECサイトから同じデザインの商品を注文したという。