中国のCPTPP加盟、困難とチャンスが並存

中国のCPTPP加盟、困難とチャンスが並存。要するに、交渉に加わるまで多くの矛盾と困難があり、国内の改革の進展と交渉の策略によって決まるが、我々の優位性と魅力にも着目する必要がある…

タグ:CPTPP 協定 規則 基準

発信時間:2021-11-22 16:43:02 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国が環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟を申請したことが近頃、世界で注目され、様々な論評がされている。中にはマイナスの意見もある。(筆者:霍建国氏 中国商務部研究院元院長)


 肯定派は、CPTPPへの加盟申請は中国の高基準の国際貿易規則体系を受け入れ、国内改革の深化を通して国際基準に全面的に合わせる姿勢を示しており、中国の外向型経済発展に新たな原動力と活力をもたらすと考える。中国が交渉基準を満たし、加わることができれば、現有の国際貿易投資構造を変えるだけでなく、中国を国際競争でより主動的な地位に立たせることもできる。否定派は、中国は同協定の高基準な開放規則とまだ差があり、短期間で国内の各方面の改革を終え、「ハイレベル開放」の関連要求に適応することは難しいと考える。当然、交渉のプロセスは中国の開放理念と同協定加盟の決心で決まる。

 

 中国のCPTPP加盟の目的から考えると、交渉を通して国際ハイレベル規則体系に合わせるとなれば、国内の改革開放を考慮し、地域貿易協定に積極的に溶け込み、中国企業の国際競争への参与意思を促すことになる。貿易業界関係者は、CPTPPの規則体系は当今の国際貿易分野で最も系統的、全面的、高基準の規則体系だと考える。現在の国際経済競争構造から分析すると、中国のCPTPP加盟までの道のりは規則基準と技術交渉の困難だけでなく、大国の駆け引きと地域の複雑な競争局面にも直面するだろう。

 

 規則基準を見ると、CPTPPには30章節あり、その大部分がWTOの規則とほぼ一致し、WTOを超越する規則は10章前後だが、これらの章節は国際競争と密接に関わる内容で、客観的に言って新たな規則体系を構築する必要がある。例えば、EC、政府調達、競争政策、国有企業、および指定の独占、知的財産権保護、労働、環境などは国際貿易競争の深化と細分化に伴い、新たな規則体系の構築がより必要となっている。当然、これらの分野において、我々には多かれ少なかれ差があるが、これらの規則は全体的に言って中国の改革開放の目的と一致し、改革深化を通して到達することもできる。

 

 「第14次五カ年計画」の規則に基づくと、中国はより広範囲と多分野で深層的な対外開放を実行する。ハイレベル開放の重点は規則の結合と制度性の開放を加速させることであり、これは中国のハイレベル開放を堅持する決心と理念を十分に示している。中国がCPTPP交渉に加わる最大の価値は、交渉を通して我々が国際ハイレベル開放の基本要求をより把握し、これらの規則基準に合わせ、国内の関連分野の改革開放を全面的に推し進めることにある。これは、中国の特徴的な社会主義市場経済体制の構築の加速化、経済の繁栄と発展を促し、人民に福をもたらす。中国の改革開放は発展し、市場参入の開放において飛躍を遂げたが、規則と制度性開放は我々が直面する厳しい試練である。

 

 地縁政治の矛盾から見ると、日本とオーストラリアは交渉までの主な障害になるという分析もされている。現在の姿勢で言えば、日本政府は中国には同協定の高基準の貿易規則とまだ差があり、短期間で中国が基準に達するのは難しいと考えている。日本の一部の右派には、「中国の加盟を受け入れるには、中日間のその他の面の争いと組み合わせて考慮すべき」、「中国が加盟すれば、日本に取って代わりCPTPPの主導的地位に立つことになる」という意見もある。そのため、日本は主観的に中国の加盟を歓迎していない。しかし客観的には、中国の加盟を拒絶する理由もない。経済の角度から分析すると、中国の加盟は地域貿易協力の規模と影響力を拡大し、各加盟国の経済利益を増大させる。貿易の相乗効果および地域貿易の波及効果をより引き出すことができる。

 

 オーストラリアの姿勢を見ると、オーストラリアは中国側が中豪貿易摩擦を適切に処理することを望む考えを強調している。これは、政治と経済のダブルの矛盾の中で、オーストラリアは経済問題の解決をより優先していることを意味する。実情を見ると、中豪の矛盾が中国の加盟の主な障害になることはない。中国が同協定に加盟すれば、協定の各項目を全面的に履行する必要があり、中豪貿易投資の面の多くの摩擦と矛盾が協定の範囲内で緩和される可能性がある。当然、中豪の二国間交渉にはまだ困難がある。

 

 要するに、交渉に加わるまで多くの矛盾と困難があり、国内の改革の進展と交渉の策略によって決まるが、我々の優位性と魅力にも着目する必要がある。現在、CPTPPの11加盟国の大部分が中国と二国間自由貿易協定を結んでおり、これは良い基礎となる。そのほか、中国の貿易規模と市場規模は最大の魅力であり、中国の加盟は域内協力の効果を高めるだけでなく、CPTPPの世界的影響力も高めることができる。我々は、CPTPP加盟の本当の難点は国別の矛盾をどのように解決するかだけでなく、国内の改革をどのように加速させるかでもあると十分に認識する必要がある。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月22日

 

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