冬季五輪が氷雪観光を盛り上げ、冬季五輪グッズが春節の消費に火をつけた。2月4日に開会となった北京冬季五輪は、今年の春節に深い「五輪の烙印」を押した。オフラインの観光のテーマはウィンタースポーツのブームを浮き彫りにし、ネット通販の検索件数も冬季五輪の高い宣伝効果を示した。
氷雪観光が新たなブームに
文化・観光部は6日夜、次の情報を発表した。同部データセンターの計算によると、今年の春節連休中(7日間)の全国の国内観光客数は前年同期比2.0%減の延べ2億5100万人で、2019年の春節連休中の73.9%まで回復した。氷雪観光が活況を呈し、2022年春節連休中の観光の新たな見所になった。持続的に活気づく冬季五輪のけん引を受け、氷雪イベントを中心とする氷雪観光が春節連休中の新たな流行、ブームになった。
美団門票が6日発表した「2022年春節連休中の観光・消費趨勢報告書」によると、北京冬季五輪のけん引を受け、各地で氷雪観光の意欲がコロナ前を上回った。春節連休中には、「氷雪カーニバル」が検索ランキングの首位を占めた。「戯雪楽園」と「氷雪カーニバル」の検索件数は、2019年同期より642%増加した。
アリババ傘下の観光プラットフォームである飛猪のデータによると、今年の春節の氷雪観光関連商品の予約件数が、前年同期比で30%超増加した。うち、吉林省の長白山、黒竜江省の亜布力、湖州市安吉県などのスキーの名所の予約が急増した。広州市、重慶市、成都市などの室内スキー場も消費の人気の選択肢になった。注意すべきは、「Z世代」が氷雪観光の新勢力になっていることだ。飛猪のデータによると、2000年代生まれの今年の春節連休中の氷雪観光予約件数が前年同期比で8割超増加し、他の世代を大幅に上回った。
冬季五輪の高い宣伝効果
北京冬季五輪の開会は旧暦の1月4日だった。かつてない冬季五輪の風が、今年の春節の消費を席巻した。「環球時報」の記者が6日、北京王府井工美ビルの冬季五輪オフィシャルグッズ旗艦店を取材したところ、開店前から多くの利用客が寒空の下、店の外で長蛇の列を作っていた(写真)。開店からわずか10分で多くの商品が売り切れになった。
天猫によると、2月3日現在で天猫五輪オフィシャル旗艦店の訪問客数が100万人を突破した。冬季五輪のマスコット「氷墩墩」のフィギュアがECプラットフォームで飛ぶように売れた。アリババが発表した「寅年春節消費趨勢報告書」によると、冬季五輪の開会式の夜、100万人を超えるネットユーザーが五輪天猫オフィシャル旗艦店を訪れた。多くの「氷墩墩」グッズが一夜にして売り切れとなった。冬季五輪の宣伝効果はウィンタースポーツからも伺える。天猫の旧暦の大晦日から1月4日にかけてのスキー用品の売上が前年同期比で180%超増加し、ウィンタースポーツ関連商品の売上はさらに300%超増加した。
京東から提供された「2022春節連休中消費観察」によると、京東プラットフォームにおけるスキー関連商品の全体的な取引額が前年同期比で322%増に、ウィンタースポーツ関連商品の全体的な取引額が430%増となった。
氷雪経済、高い潜在力を秘める
2022北京プレスセンターで6日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とアリババグループの張勇会長兼CEOが「Alibaba Cloud Me」により、現場の記者に新年のあいさつをした。バッハ氏は、「中国は3億人のウィンタースポーツ参加を実現し、歴史を創った。北京冬季五輪のかつてないほどのデジタル化水準により、より多くの人が五輪の文化と素晴らしさを実感する。北京2022冬季五輪は、世界のウィンタースポーツの新時代を切り開いた」と述べた。
北京経済運行協会の元副主任の田雲氏は、「環球時報」の取材に応じた際に、「冬季五輪は単なる氷雪業界を盛り上げる大型スポーツイベントではない。新型コロナウイルスが大流行するなか、中国は今年の冬季五輪の開催において比類なき力を示し、世界経済の楽観ムードを強める。中国は世界経済成長のメインエンジンの一つで、依然として国際的なパートナーシップの注目の的だ」と述べた。
五輪より何年も前から全国範囲でウィンタースポーツの普及を促進していたため、中国の氷雪観光市場が力強く成長している。ある業界の報告書は、「2025年に中国の氷雪観光市場の収入が1兆1000億元を上回り、観光客数が5億人を上回る見通しだ。中国は世界で唯一の、急成長するスキー市場だ」とした。
粤開証券研究院のチーフ戦略アナリストの陳夢潔氏は「環球時報」に、「政府の計画に基づき試算すると、設備サプライヤー、スキー場開発業者及び旅行会社、スキー用品卸売業者、販売担当者、利用者などを含む中国の氷雪産業の規模は、2022年に8000億元にのぼる見通しだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月7日