中国は自転車王国で、道路上を走る自転車の大軍が独特な風景だった。今や徐々に電動バイクや自動車が自転車の代わりになっており、自転車はもはや移動の主力ではない。ところがやや寂しい国内市場とは対照的に、中国の自転車及び部品の輸出が2020年より大幅に増加し、かつ高級化の流れを見せている。
上海鳳凰進出口有限公司の業務マネージャーである盛凱氏は、「今年下半期まで注文が入っており、生産も販売も満杯だ。昨年の自転車輸出台数は約400万台で、当社の販売全体の30%を占めた。当社の自転車輸出は昨年、新たな出発点に立った。高級製品が市場で依然として飛ぶように売れ、受注が急増を続けている」と述べた。
この老舗自転車メーカーの輸出は高成長を迎えており、先進国市場で特に好調だ。うち欧州、米国、日本市場がその輸出の64%を占めている。
同社の輝かしい成績は決して個別のケースではない。中国の自転車輸出は過去2年に渡り2桁台の伸び率を保ち、力強い勢いを示した。税関のデータによると、昨年の中国の自転車輸出台数は前年比14.9%増の6926万台、輸出額は40.2%増の51億800万ドルで、同時に増加した。
業界関係者によると、新型コロナウイルスを背景とし、安全性と健康を考慮し自転車を移動手段や運動手段とする人が徐々に増えている。一部の国は自転車購入補助金などの措置を相次いで打ち出しており、自転車の需要が急増している。欧米の一部の国では供給源が不足している。
盛氏は、「海外の自転車市場、特に高級自転車市場はブランドの知名度、生産・製造能力、販売チャネル、顧客資源について厳しい姿勢を持つ。これらの特質を同時に持つ自転車メーカーでなければ壁を打破し、海外市場で発展・成長できない。当社は2020年に天津市の2社の自転車輸出企業を合併・買収し、輸出規模が倍増した」と述べた。
自転車の輸出が急増しているほか、部品の輸出も需要に追いついていない。中国自転車協会副理事長兼秘書長の郭文玉氏は、「中国は自転車中核部品の研究開発及びイノベーションで大きく進歩した。特に感染症の影響を受け、国内の基幹部品企業は直ちに生産能力を補い、業界の健全な発展に対して積極的な効果を発揮した」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月11日