両会のキーワードから新経済の発展を見る

中国網日本語版  |  2022-03-10

両会のキーワードから新経済の発展を見る。これらのキーワードの変化からは、中国のインターネットやデジタル経済などの新業態の発展の軌跡、その特徴を読み取ることができる…

タグ:両会 インターネット デジタル 経済形態

発信時間:2022-03-10 14:06:55 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=盤和林 浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センター連席主任、研究員


 近年の全国両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)の経済のキーワードを整理すると、2015年の「インターネット+」「創客」「重創空間」、2016年の「新経済」、2017年の「デジタル経済」「デジタル家庭」「AI」「第5世代移動通信システム」、2018年の「次世代AI」「双創アップグレード版」、2019年の「スマート+」、2020年の「デジタル+」、2021年の「デジタル政府建設」など、新経済業態に関する革新的な内容が次々と現れて尽きない。

 

 例年と比べると、今年の政府活動方向はデジタル経済により重きを置き、デジタル経済の発展促進を明記した。集積回路とAIのほか、さらに産業デジタル化モデル転換、スマートシティ、デジタル農村、インダストリアルインターネットなどを追加した。特に基幹ソフト・ハード技術のイノベーションと供給能力を高めると指摘した。


 両会における経済のキーワードの変化は、当時の経済形態の現状と特徴、及び今後一定期間の発展方向を反映した。

 

 2015年に、中国のインターネット普及率とモバイルサービスが大幅に向上した。インターネット業界は従来のサービス業から実体経済に徐々に浸透し、販売のオンライン化、サービスのオンライン化をけん引した。そのため「インターネット+」が当時のキーワードになった。2016、17年には5Gなどの技術が誕生し、急成長を始めたAIがある程度の形になり、それを基礎とするデジタル経済が人々から注目されるようになった。その後の数年に渡り、デジタル経済のニッチ分野関連のキーワードが続出した。デジタル経済そのものも徐々に単一的な業界のデジタル化から、デジタルの産業化、産業のデジタル化、デジタル化ガバナンス、データの価値化という「四化」による整ったエコシステムに変化した。2021年には「メタバース」が登場し、デジタルツインやVRなどの新技術・新業態が次々と登場した。これは今後数年内に、デジタル経済の発展が新たな段階に入ることを意味する。


 これらのキーワードの変化からは、中国のインターネットやデジタル経済などの新業態の発展の軌跡、その特徴を読み取ることができる。この課程における具体的な特徴は主に下記の通り。


 (一)世界各国の各時期における発展のキーワードと比較対照すると、中国のインターネット新業態が常に世界の趨勢を追い、市場の潮流(世界のデジタルテクノロジーと資本市場が注目する潮流など)をしっかり見据えていることが分かる。特に応用面で、中国は徐々に、デジタル経済発展をけん引する形で参加し始めている。


 (二)中国のインターネット業界はサービス業から徐々に、第一次産業と第二次産業に浸透している。例えば産業のデジタル化は、産業モデル転換・高度化の需要の駆動を受け、経済・産業発展における難点と弱点に焦点を絞り形成された。デジタル経済のさらなる推進に伴い、デジタル技術がより良く実体の生産を支えるようになる。


 (三)中国のデジタル経済発展そのものが、荒削りな成長から洗練へのモデル転換の過程を踏まえている。徐々に急成長から健全な発展へ、数と規模の発展から質・体験の向上へと移り変わり、同時にデジタル安全を兼ね備えている。

 

 成果・効果を見ると、国務院の「『十四五』デジタル経済発展計画」のデータによると、中国の2020年のデジタル経済の中核産業付加価値額の対GDP比が7.8%にのぼり、経済・社会の持続的な発展に力強い原動力を提供した。デジタル経済のニッチ分野において、デジタルインフラが順調に進んでおり、IPv6(インターネットプロトコルバージョン6)のアクティブユーザー数が4億6000万人を突破した。産業のデジタル化モデル転換が全面的に推進され、農業・工業のデジタル化水準が持続的に向上している。


 これまでの経験を振り返ると、デジタル経済の実体経済へのさらなるサポートは、今後数年の重要な発展戦略及び方向だ。今後のデジタル経済とインターネットの発展において、「メタバース」などの概念の働きかけを受けバーチャル世界がさらに繁栄するが、「メタバース」にせよデジタル経済にせよ「砂上の楼閣」であってはならない。バーチャル世界に限られるのではなく、技術の実用化により多く取り組み、現実世界に拡張することで、現在の製造業とサービス業が直面している現実的な問題を解消するべきだ。中国は現在すでに力強いデジタル産業を形成している。これらの産業は産業のデジタル化により伝統的な経済をサポートし、質を高め効果を拡大している。それと同時に絶えず新商品・新業態・新ビジネスモデルを生み出し、中国の新たな原動力の発展に重要な推進力を提供し、中国経済の高品質発展を後押ししている。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月10日

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