中国は2016年より6年連続で世界の新エネ車生産・販売台数トップを保っているが、これは新エネ車というニッチ産業の世界市場における水平方向の比較に過ぎない。自動車業界全体を見ると、電気自動車(EV)の最大のライバルはガソリン車だ。双方の競争の臨界点について、消費者はすでに共通認識を形成している。それはつまり、次の二つの条件のうち一つでも満たされれば、EVがガソリン車を破り最も優先的に購入されるということだ。(筆者・瞬雨 技術経済観察者)
(一)3分で充電。充電時間が給油時間より長くなければ、充電スタンドに勝機が見えてくる。
(二)バッテリー交換の標準化。短期間内に充電時間の研究開発で実質的な進展が得難ければ、バッテリー交換の標準化も同じ目標になりうる。バッテリー、差込口、交換設備が標準化されれば、各車種はバッテリーユニットの搭載数が異なるだけで、ガソリンスタンドのようなスムーズな充電が可能になる。しかし積極的に参加し、自ら実践しようとする自動車メーカーが少なく、国が標準を作っても実用化されにくい。
新エネ車を「前半戦」とするならば、スマートコネクテッドカーは「後半戦」だ。自動車は単なる自動車だけでなく、道路にも属している。自動車メーカーは現在、道路スマート化への参加率が依然として非常に低い。中国の新インフラの大きな流れを受け、5Gと6Gが急速に発展する。自動車産業の未来の成長源は単なる自動車のみを着眼点とするべきではない。ハイレベルのスマート運転と自動運転は、スマートな道路環境の建設に大きく依存する。IT企業が新エネ、スマート化、自動運転に集団で参入している。技術もモデルも、自動車産業は大きな変化を迎えている。リスクはあるが、リスクは技術発展を強いる積極的な要素だ。
現在のところ、中国の新エネ車はすでに高い優位性を占めている。これはCO2排出ピークアウトと産業の「カーブでの追い越し」を目的とする政策の支援のおかげだ。中国の大きな人口のボーナスがあるため、売上はある企業の実際の競争力を反映しない。我々は中国自動車メーカーがさらなる行動により、政策が生み出した優位性を拡大しその基礎を固め、専念と深耕により自社を国際産業チェーンにおける重要な存在にすることを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月1日