中国経済は大丈夫だろうか、対中投資に将来性はあるだろうか。
この問題については、視角によって見え方が大きく変わり、視野によってまったく異なる結論が導き出される。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」はこのほど、「複数の国際的な投資銀行が上海で野心的な業務拡張計画を推進している。その方針が現在の新型コロナウイルス感染対策によって変わることはない」と伝えた。
世界の投資銀行の動向はこれまで、経済の将来性を判断するバロメーターとされてきた。上海の感染対策の重要な時期における投資銀行の流れに逆らう決定は、中国経済に信任票を投じたことに他ならない。
これは世界の投資家に、困難と挑戦に直面している時ほど大きな構成を把握し、中国市場について先見性の高い意思決定をすべきという啓示をもたらした。
大きな構成を把握するためには、中国による国内大循環の円滑化、国内・国際双循環の促進に含まれる貴重で確実なボーナスを深く理解する必要がある。
中国の対外貿易依存度は過去十数年間で一時67%に上がったが、今年第1四半期には34.8%に下がった。内需の中国経済の成長に対する寄与度が高い数値を維持しており、昨年は79.1%だった。
この上昇と低下は、中国経済の外から内への原動力の変化を示している。これを支えたのは中国が十数年に渡り蓄積した特大の市場規模、産業クラスターの実力だ。これは中国経済に外部リスクに耐えるより高い能力を与え、成長の確実性と投資収益の期待を効果的に安定させた。
中国米国商会が最近発表した報告書によると、感染症などの影響を受けているが、企業の6割超が今年、対中投資の拡大を予定していると回答した。ゴールドマン・サックスの対上海投資事業に詳しい関係者は、「フィナンシャル・タイムズ」に対して「中国での事業計画は50年単位だ。数カ月の業務の支障は、この戦略方針を変えるほどではない」と述べた。
己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す。国内大循環と国内・国際双循環の相互補完は、前者の穏健と円滑性によって後者の秩序正しい融合が実現される。双方の協力が中国経済の高い強靭性と活力を生み、不確実な世界経済に貴重な確実性を提供した。
大きな構成を把握するためには、中国が開放と包括、協力とウィンウィンを主張し、開放型世界経済の構築を促す大きな発展のチャンスをはっきり目にする必要がある。
中国の今年第1四半期の実行ベース外資導入額は前年同期比25.6%増の3798億7000万元だった。これは中国による高水準対外開放の持続的な拡大に関する一連の重大措置のおかげだ。
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)の加入申請、より高品質な「一帯一路」建設の促進、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の発効・施行、外資参入ネガティブリストの実施の掘り下げなど、中国の開放拡大の決意と行動が投資家を安心させた。
国内外で感染拡大が繰り返され、地政学的な緊張が高まり、米連邦準備制度理事会の金融政策が急転直下するといった不利な要素の影響を受けているが、多くのグローバル企業は中国でプロジェクトを新設するか生産ラインを増やし、中国市場をリスク回避先や富の源としている。華南米国商会がこのほど発表した報告書によると、回答した企業の9割超が中国を投資目的地の一つとした。米国企業の76%が今年、中国で追加投資を予定している。
豪州企業の会長は先週、取引先に「経済の角度から見ると、最も聡明で最も能力ある国際的なリーダーシップは中国政府から発揮される。中国は常に試練を乗り越えようと努力している。これらの要素により、我々は中国が長期投資の良き目的地であると判断している」と述べた。
中国から外資が撤退という報道について、英ロンドン市経済・商業政策署のジョン・ロス前署長は、「事実に基づく発言が最大の反撃だ。中国の外資導入規模が年々増加しているが、これはすでに対中投資の魅力を証明している」と述べた。
「最も重要なのは彼ら(外資企業)が何を言ったかではなく、何をしたか、特にどこに投資したかを見ることだ」
大きな構成を把握するためには、中国が新たな発展段階に入り、革新的な発展・グリーンな発展・高品質の発展を急ぐことにより引き出される、新たな発展のボーナスを鋭く掘り起こす必要がある。
世界知的所有権機関中国事務所の劉華主任は、「世界のイノベーションの中心地が現在、東のアジアへと移っている。中国は非常に好調だ。中国はグローバル・イノベーション・インデックスのトップ15に入った唯一の中所得経済体だ」と述べた。
ハネウェル中国の余鋒総裁は、「当社は中国のファンダメンタルズ、デジタル経済、低炭素などの分野の将来性に期待している。高水準の対外開放の持続的な拡大を喜んでおり、対中投資を拡大する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月28日