世界銀行(世銀)はこのほど、世界の食料価格が1%上昇するごとに1000万人近くが1日1.9ドル未満で暮らす「極度の貧困」に陥るとの試算をまとめた。世銀は、「貧困層ほど家計に占める食費の割合が大きく、価格高騰の衝撃を受ける」と警鐘を鳴らした。共同通信が伝えた。
世銀のエコノミストは共同通信の取材に対して、「世界中で影響が出ており、日本でも(低所得層を中心に)打撃となるだろう」と述べた。国連食糧農業機関(FAO)は3日、5月の世界食料価格指数が前年同月比で22.8%上昇したと発表した。
世銀の試算によると、極度の貧困層は2022年に6億5600万人から6億7600万人にのぼる見通しだ。新型コロナウイルス流行前には、22年には5億8100万人まで減少すると予想していたが、7500万人から9500万人の増加となった。原因としては、ウクライナ危機による東欧経済の悪化や、小麦の主要産地であるロシアとウクライナの戦争を背景とした食料価格の値上がり、肥料価格の上昇などを挙げた。
世銀のエコノミストは、特に深刻な影響を受けるサハラ砂漠以南のアフリカ36カ国では、食品関連の物価の伸び幅がその他の商品の2倍になると見積もっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月8日