個人情報保護の問題が近年、人々から注目されている。デジタル人民元の試行において、ユーザーのプライバシーは効果的に保護されるだろうか。第5回デジタル中国建設サミットデジタル人民元産業発展サブフォーラムにおいて、人民銀行デジタル通貨研究所の穆長春所長は、「デジタル人民元のユーザーのプライバシー保護は、現行のデジタル決済ツールの中で最高レベルだ。デジタル人民元産業の制御可能な匿名の要求をしっかり満たすためには、トップレベルの制度設計に次の4つの内容を盛り込む必要がある」と指摘し、次のように説明した。

　（1）情報隔離メカニズムの構築。運営機関のデジタル人民元運営業務の展開の独立性を明確にし、かつデジタル人民元顧客情報隔離メカニズム及び使用制限を構築することで、デジタル人民元の顧客情報の使用を規範的にする。（2）デジタルウォレットの問い合わせ、凍結、控除の法的条件を明確にする。法律によって資格を認められた機関が法定の事由に基づくことで、初めてユーザーのデジタル人民元ウォレットの問い合わせ、凍結、控除が可能になる。それ以外であれば、運営機関は拒否する権利を持つ。（3）対応する処罰メカニズムの構築。監督管理部門は法に基づき、規定に違反しデジタル人民元ユーザーの情報を処理した運営機関を処罰し、監督管理を強化できる。（4）デジタル人民元のマネーロンダリング防止及びテロ資金供与防止などの法規制度を改善する。TATF（マネーロンダリングに関する金融活動作業部会）の関連原則及びデジタル人民元の特徴を結びつけ、デジタル人民元のマネーロンダリング防止及びテロ資金供与防止などの監督管理規定を研究し、適時発表する。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年7月27日