新エネ車市場は今年に入り猛進を続けていたが、この現象に転換が生じている。複数の伝統的な自動車グループが過去1カ月に渡り、資金調達の完了を発表するか、増資計画を発表している。例えば広汽埃安は7月18日に財産権取引センターの事前上場を発表し、シリーズAの増資を開始した。上汽智己汽車は8月1日、シリーズAのエクイティファイナンス協定を発表した。300億元の資金を調達する見込みだ。同じ日に東風嵐図汽車が上海連合財産権取引所で増資プロジェクトを発表した。これはまた同社にとって初の対外エクイティファイナンスとなった。長安阿維塔科技は8月2日にシリーズAの資金調達の完了を発表した。リードインベスターは国家グリーン発展基金。
新エネへのモデル転換に苦しむ伝統的な自動車グループは、自身の新たなペースと収益の将来性を掴んだようだ。資本の力を利用し、次の成長カーブを描こうとしている。
伝統的な大手自動車グループが期せずして資金調達の発展を選択したが、これは伝統的な自動車メーカーの発展に次の3つの変化をもたらす。
(一)資金調達ルートを拡大し、企業全体の評価を上げる。ガソリン車と新エネ車が異なる製品であることはすでに資本市場の共通認識になっている。電気自動車を持つか否かは、自動車メーカーの時価総額を決める重要な選択肢になっている。
伝統的な自動車メーカーは新エネブランドを樹立し外からの投資を導入することで高度化発展を実現でき、資金源を拡大しこれまでの大規模なコスト投入を和らげることができる。またより多くの資本を導入することで企業の評価を効果的に上げ、既存の資本構造を最適化できる。
(二)体制と構造のイノベーションにより、伝統的な自動車メーカーの改革を後押しする。新エネ車の新ブランドはいずれも事業規模が小さく、柔軟性と操作性が高い。同時に電動化とスマート化の位置づけを利用し、投資面でより大きな魅力を備えることが多い。これは埃安、阿維塔、智己、極狐などの新ブランドが続々と、伝統的な自動車メーカーの混合所有制改革の「試験田」になっている理由だ。業界では、新エネ分野を突破口とし、伝統的な自動車メーカーの弱点を補強できるとされている。
(三)伝統的な自動車メーカーの発展の潜在力を引き出し、新エネ車産業の高品質発展を促進する。新エネ車業界は近年、量が増え価格が上がっている。多くの伝統的な自動車メーカーはスマート・新エネ車に専念する新会社を設立し、外資導入、独立運営、上場の検討により、資本の問題及び意思決定の伝達の遅れを解消している。さらに重要なことは、十分な市場化運営により、企業により先進的な技術の研究開発に取り組む余裕が生まれることだ。より優秀な製品を生み出し、ブランドのコアコンピタンスをつけ、最終的に中国新エネ車産業の高品質かつ高速の発展を促す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月17日