検索エンジン最大手、百度(バイドゥ)の執行副総裁(エグゼクティブ・バイスプレジデント)で、スマートクラウド事業群の総裁を兼務する沈抖氏によると、同社のスマートクラウドは、火力発電所空冷ユニットプロジェクトで、ディープラーニングアルゴリズムを用いてユニットの稼働状況を予測している。ファンの回転数のパラメーターをリアルタイムに調整することで、発電量1キロワット時(kWh)当たりの石炭消費量を標準炭換算で1.55グラム削減でき、全国で年間最大600万トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減できると試算している。
人工知能の応用は、当初の目視による品質検査やスマートカスタマーサービス、配送ルート計画などの需要シーンから、工程パラメーターの最適化やエネルギー消費の効率化、安全運転管理といったコア業務の分野へと大きく躍進した。 こうした生産効率の向上は、従来の人の手による作業では実現できないことが多い。
中国工業互聯網(インダストリアル・インターネット)研究院の魯春叢院長によると、製造業分野を見ると、中国ではデジタル化した生産現場や工場が700カ所余り建設された。スマート製造のモデル実証プロジェクト305件と新モデル応用プロジェクト420件も実施されたほか、システムソリューションプロバイダー6千社余りが育成されるなど、スマート製造の実用規模は世界をリードしている。
一方、中国の製造業は、供給と需要とのズレやサプライチェーンの不安定性といった問題を抱えている。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進展させ、効率性や競争力を向上させることは、依然、人工知能やインダストリアル・インターネットを融合・発展させる上での長期的な目標となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月7日