英国経済、価値観の深淵に落ちる

中国網日本語版  |  2022-10-18

英国経済、価値観の深淵に落ちる。

タグ:英国経済 価値観 

発信時間:2022-10-18 15:35:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 英トラス政権の新たな減税策への市場の反応は、純粋な経済的判断に過ぎないのだろうか。トラス氏を交代させるだけで市場の自信を取り戻すことができるのだろうか。市場と人々が忍耐力を失い、リセッション(景気後退)が英国社会の「普遍的な予想」になった時には、どのような経済政策であっても焼け石に水になりうる。「環球時報」が伝えた。

 

 6年前の英国のEU離脱以降、日増しに混乱する政治環境と価値観化された経済政策は、この「普遍的な予想」の形成を直接促した。低効率の社会ガバナンスモデルが英国経済の基礎にダメージを与えた。「小政府・大社会」はかつて英米の政治文化が誇りとした政治の看板で、20世紀はこれを社会の効果的なガバナンスの標準モデルと定義した。英国の議会制は近代以降の憲政制度の源で、英国議会の弁論方法は現代政治生活の標準スペックと描写された。ところがユーロ離脱後、英国議会では絶え間なく激しい弁論の声が上がり、突飛な見解や奇怪な議論が噴出している。それとは対照的に、英国の社会・民生問題が効果的に解消されておらず、内政・外交の苦境にも真の対策が打たれていない。英国の政治家は各種議案を取り上げる会議の間を行き来し、大衆メディアで注目を集めようと焦っている。「政治パフォーマンス」が英国の政治生活で常態化している。いかなる資本であっても長期安定の投資環境、健全で有為な政治体制、積極的で楽観的な社会の姿勢を望む。これらの重要な投資環境要素は現在の英国では極めて不足しており、単純な減税策によって代替できるものではない。

 

 英国経済の価値観化は英国発展の重要な要素を多く消耗した。海洋文明及び島国文化の模範である英国経済の基礎は商業立国と自由貿易だ。これは英国経済が歴史的に繁栄を維持できた秘訣だ。ところが国際社会はこの数年、英国政府の経済政策が一歩ずつ価値観の深淵に滑り落ちる様を目撃した。英国政府は欧州への経済的な依存を断ち切るため、人々に「愛国主義」的な経済発展モデルの構築を呼びかけた。ロシアとウクライナの衝突において、英国政府は対露制裁を口実とし過激な手段によりロシアの英国における資産を処理した。これは英国市場の神聖なるルールと開放の原則を自ら葬ったことに他ならない。英国は対中関係において「国家安全」の概念を何度も広め、5G応用、ビジネス投資、科学技術協力の分野で壁を人為的に作った。基本的なビジネスの信用、経済政策の連続性のない英国が、国家経済の発展に適した国際ビジネス環境を構築できるだろうか。

 

 我々は激動の世界に身を置いている。この変化の本質的特徴は世界経済の中心の移動・交代と世界の政治生活モデルの多元的融合だけでなく、世界各国の文化的運命の自己発展及び変革でもある。英国はかつて世界の現代化に大きな影響力を持つ政治的価値観と経済発展の理念を注いだが、世界の歴史の流れが少数の西側諸国が設定した方向に機械的に前進することは決してない。未来志向の人類現代文明は新しい理念と考え方が必要だ。残念なことに、現在の英国の政界で主流になっている価値観は終始、冷戦時代のゼロサムゲームと弱肉強食の法則に基づいている。この見ざる聞かざるの文化的態度は、英国でリセッションよりも遥かに激しい社会の動乱を引き起こすかもしれない。(筆者・高健 上海外国語大学英国研究センター長)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月18日

 


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