説明によると、これまで米アポロ計画と旧ソ連ルナ計画で採取された月のサンプルは、いずれも低緯度地域から得られたものだった。科学者には、緯度が月面の水分含有量に及ぼしうる影響を研究するためのサンプルが不足していた。
嫦娥5号は2020年末に月の1731グラムのサンプルリターンに成功した。嫦娥5号の着陸地点は北緯43.06度で、アポロとルナによる9カ所の着陸地点を上回る。また嫦娥5号着陸地点の玄武岩の形成時期は今から約20億年前とより若い。
論文の共同筆頭著者で、国家宇宙科学センター副研究員の徐于晨氏は、「これほど若い中緯度地域のサンプルにより、太陽風の変化、月面水注入及び移動などの研究が可能になる」と述べた。
林氏は、「この発見は未来の月における水資源利用に対して重要な意義を持つ。中国は月の南極に科学研究基地を建設する予定だ。我々の研究は、月の南極地帯の水分含有量がこれまで考えられていた以上に多い可能性があることを示した。しかもこれらの月の土壌に含まれる水は粒度の選択と加熱により、比較的容易に採掘し利用できる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年12月14日