「中国経済の力強い回復は世界にとって朗報だ」。国連経済社会局世界経済観察センターのハミド・ラシド主任はこのほど、「人民日報」記者の単独取材に対し、中国経済が粘り強さを示し、国際社会のマインドを高めたと答えた。「私は2023年の中国経済について楽観的な見方を保っており、中国が世界経済の回復に安定的な力をより多く注入すると思う」と話した。

　国連は1月25日、「2023年世界経済状況・予測」を発表した。報告書の作成に携わったラシド氏は、2023年に中国が「世界の成長を促す重要な役割を果たす」との見方を示した。「中国経済は回復に必要な要素を備えており、我々は先行きをとても有望視している」という。

　ラシド氏によると、中国経済のデータが有望視できると判断した主因は3つある。まず、中国経済の成長を引っ張る消費が持続的に回復し、中国経済の比較的速い回復と発展を後押しする可能性がある。次に、中国の消費者物価指数が低水準にとどまり、少なくとも短期的には公共支出削減などの圧力が無いとみられる。インフレは2022年、多くの先進国と発展途上国に痛手となり、今年も大きな試練となる見込み。最後に、中国の通貨・財政政策が協調して力を発揮し、公共支出と投資の持続的な伸びを支えると共に総需要を喚起するだろう。

　「中国が世界第二の経済国として力強く回復したことは、世界経済にとって間違いなく大きな好材料だ」。ラシド氏は、今年1月の中国製造業購買担当者景気指数が拡張区間（50以上）に戻り、製造業活動の持続的な回復と重要港湾の操業再開がグローバルサプライチェーンの緊張緩和などに役立つと指摘した。中国経済の回復と防疫政策の最適化が進む中、中国の段階的な海外旅行の再開は、観光業が発達しているアジア太平洋や欧州などの国で経済回復を加速させる可能性がある。

　ラシド氏は、アジア金融危機から国際金融危機、そして新型コロナウイルス感染流行に至る各種の試練に直面しながら、中国経済が一貫して粘り強さを保っていると強調した。中国は一連の効果的な政策を講じて、新型コロナウイルス感染流行のショックを抑えた。また、中国政府は感染症の影響が深刻な企業に対し、指向的な金融・財政支援を進めている。

　ラシド氏は中国のデジタル経済とグリーン経済の発展を高く評価した。デジタル化と低炭素モデルへの転換は、国連が2030年までに持続可能な開発目標を実現するために極めて重要だ。現時点で持続可能な開発目標には資金が不足しており、グリーン転換を加速して気候変動に対応するために投資を増やす必要がある。中国がデジタル経済とグリーン経済に対する投資を増やし、ハイクオリティな発展と包摂的な成長を促進すれば、中国自身の発展の粘り強さを高めるだけでなく、世界の持続可能な発展の促進にもつながる。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年3月4日