2023年中国政府活動報告は、都市部新規就業者の目標を昨年の「1100万人以上」から「1200万人前後」に引き上げた。経済が依然として不確実性に直面するなか、中国はどのようにしてこの目標を達成するのだろうか。
「キーグループ」が焦点に
中国の今年の大卒者は1158万人と近年としては最大にのぼる見込みだが、政府は卒業生の就職問題をより重視している。政府活動報告は、若者、特に大卒者の就職活動を促進し、これをより目立つ位置に据えることで基本的な民生をしっかり保障するとした。
中国国家発展改革委員会の李春臨副主任は6日、「デジタル経済の発展に取り組み、常態化監督管理水準を高める。プラットフォーマーが発展けん引及び雇用創出の面でより大きな力を発揮することを支持し、若者のプラットフォームを利用した自主創業及びフレキシブルな就業などを奨励する」と述べた。
全国人民代表大会(全人代)代表、58同城最高経営責任者(CEO)の姚勁波氏は、「免税や補助などの手段を通じ、デジタル経済やライブ配信などの大卒者に適した新興業界企業を奨励・助成し、就業市場の活力を引き出す」と提案した。
新たな就業形態の助成
近年のデジタル経済及びプラットフォーム経済の台頭に伴い、宅配員、デリバリースタッフ、ネット配車ドライバー、新メディア配信者などの新しい職業の就業者が増えている。全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の会期中、多くの代表・委員が新たな就業形態の労働者により十分な保障を提供し、新しい職業を真の就職先にするよう提案している。
全国政治協商会議(全国政協)委員で京東クラウド事業部総裁の曹鵬氏は、「現在の新たな就業形態は雇用関係と境界がまだ明確でなく、労使紛争や社会保険料滞納など一連の問題が生じている。新たな就業形態の発展の政策体系を十全にし、新たな就業形態の労働者の公共積立金フレキシブル支給制度を研究・制定するべきだ」と述べた。
全人代代表、TCL創業者及び会長の李東生氏も、「フレキシブルワーカーの労災保険加入の規制を全面的に撤廃し、個人として労災保険を納めることを認めるべきだ。またフレキシブルワーカーの労災保険加入を促進する具体的な措置を打ち出すべきだ」との見方を示した。
これについて政府はすでに動き出している。中国人的資源・社会保障部の王暁萍部長はこのほど、臨時雇い市場の建設を支持し、新たな就業形態の労働者の権益保障政策を実施すると表明した。
非合理的な規制を打破
全国政協委員、中華全国総工会弁公庁主任の呂国泉氏は、「35歳は見えない壁のようになっており、一部の人は求職・流動・昇進・再就職の問題に直面している」と指摘した。
呂氏は、「各年齢層の労働者に平等な就業保護を与え、雇用主に年齢を求人・昇進・辞退のレッドラインにしないよう求めるべきだ。機関はけん引力と模範力を発揮し、公務員試験の35歳の制限の緩和を模索し、中高齢就業者を尊重する良好な社会の気風と積極的なマインドの形成を促すべきだ」と提案した。
全国政協委員、四川大学華西病院教授の甘華田氏は、女性の権益の保護を拡大し、出産可能な年齢の女性の就職差別の解消に取り組むべきとした。
全国政協委員、深セン市中意集団会長の趙心竹氏は、「具体的な保護措置がないことから、社会では専業主婦に対して多かれ少なかれ差別が存在し、その就職に影響している」とし、「専業主婦を対象とする求職・就業情報サービスプラットフォームを構築し、専業主婦のために公平で調和的な就業環境を構築するべきだ」と提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月7日