宅配便取扱件数が昨年より39日早く1000億件に達した。9月の一定規模以上工業企業の利益が前年同月比11.9％増となり、2カ月連続で2ケタ成長を実現した。中央政府は第4四半期に2023年度国債1兆元を追加発行する予定――。10月も終わろうとするなか、一連の最新経済統計と経済政策から、中国経済回復の兆しが鮮明になっていることがわかった。

　最新の経済統計によると、第1－3四半期の国内総生産（GDP）は前年同期比5.2％増、うち第3四半期は同4.9％増、前期比では1.3％増と伸び率は第2四半期から0.8ポイント加速した。中国の経済成長率は主要国の中でも上位に位置し、実質経済成長率は潜在成長率への接近を加速、今年の年間成長率目標「5％前後」を達成するための強固な基盤を築いた。

　経済成長が安定回復するとともに、質の高い発展が着実に進み、需要と供給のサイクルはよりバランスが取れたものとなり、人々の暮らしと福祉は持続的に改善している。需要の観点から見ると、消費が経済成長をけん引する主な原動力となっており、第1－3四半期の民間最終消費支出対GDP寄与度は83.2％に達し、このうち第3四半期の寄与度は94.8％に上昇した。供給側から見ると、イノベーションの経済成長を主導する作用が高まっており、環境に配慮した低炭素製品が力強く成長、新エネルギー車・リチウム電池・太陽電池の、輸出の「新・三種の神器」が急成長を続けている。サービス業も回復が続き、第1－3四半期のサービス業付加価値は前年同期比6％増加し、経済成長への寄与度は63％に上昇した。民生の観点から見ると、第1－3四半期の全国都市部調査失業率平均値は5.3％と、前年同期比0.3ポイント低下、月を追って改善している。国民1人当たり可処分所得の実質成長率は5.9％に達し、経済成長率を0.7ポイント上回った。中国経済は回復力が強く、大きな潜在力を持ち、活力溢れ、長期的に改善に向かうファンダメンタルズは変わっていないことが事実によって証明された。

　国内外の情勢が錯綜するなか、中国の経済運営を好転させるのは容易ではない。年末に近づくほど、困難を乗り越えてさまざまな政策措置を実施する必要に迫られる。中国共産党中央委員会と国務院は第4四半期の経済活動をめぐり、一連の政策決定を行った。◇2023年度国債1兆元を追加発行し、災害後の復旧・復興を支援するとともに防災・減災・救援力を強化する。◇既存の1軒目住宅ローン金利を着実に引き下げる。◇大都市の城中村（都市の中に取り残された村）改造を3つのカテゴリーに分けて推進――など、弱点を補強し、国内の有効需要を拡大、企業の活力を刺激し、景気の回復傾向を確かなものとする考えだ。

　現時点で、中国の経済運営をめぐるプラス要因と好条件が重なり、第4四半期も安定回復の傾向が続く見通しだ。政策が段階的に実施されるにつれ、ポジティブな効果が一段と明らかになるだろう。我々は、経済運営の持続的改善・内的原動力の持続的強化・社会期待の持続的改善・隠れたリスクの持続的な解消を推し進め、年間の経済・社会発展目標を実現する自信と条件と能力を有している。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年11月5日