米エネルギーコンサルティング会社ガイドハウスインサイツのアナリストであるSam Abuelsamid氏はAP通信に対して、新規定が来年発効した後、現時点で税額控除対象になっている多くのEVがその対象から外れると述べた。自動車メーカーにとって、インフレ削減法の要求に基づき米国もしくは米国と自由貿易協定を結ぶ国から多くの重要鉱産物を得ることは極めて困難だ。
米サイト「ポリティコ」は2日、「綱渡り中のバイデン政権」と題した記事で、「新規定により税額控除対象のEVが減少することで、米自動車業界の化石燃料から新エネへのモデル転換という当初の目的の妨げになる。米市場で税額控除の要件を満たす新エネ車は全車種の20%に満たない」と伝えた。
このような措置を受け、バイデン政権のグリーンエネルギーの夢により、自動車ディーラーが悲鳴を上げている。FOXニュースの2日の報道によると、米国の3000店を超える自動車ディーラーが連名で書簡を出し、バイデン氏にその急進的なEV発展計画をストップするよう呼びかけた。「ディーラーの駐車場に多くのEVが溜まっている。市場はすでに最高の答えを示している」公開書簡はさらに、充電インフラの不足、不安定な送電網、EVバッテリーにとって極めて重要な鉱産物の信頼可能な供給など、米EV業界が直面している多くの問題を列挙した。
多くのディーラーは、インフラが整備されておらず、EVの価格がガソリン車を20−30%上回るため、米国の消費者が現在EV市場に進出することはないとした。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」は2日、国際エネルギー法律事務所ベイカーボッツのパートナーであるEli Hinckley氏の話として、「中国を排除しながらEVに必要なすべての部品を調達しようとすれば、論理的に考え極めてチャレンジングであり、かつ製品がより高額になる。これはサプライチェーンの長年の構築による結果だ」と伝えた。米議会が昨年インフレ削減法を可決してから、米国のEVサプライチェーンの投資ブームが巻き起こった。しかし生産が遅れ、需要が低迷していることから、フォード、GM、テスラなどの米自動車メーカーは米国での工場建設計画を遅らせた。
米大手自動車メーカーを代表する業界貿易組織である米国自動車イノベーション協会の会長兼CEOのジョン・ボゼーラ氏は、EV分野のモデル転換には米国の産業の基礎の徹底的なモデル転換が必要との見方を示した。「これは苦しい任務で、一気に実現することはできない」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月4日