江蘇省丹陽市は人口100万人未満の県級市だが、メガネ関連企業が1600社以上ある。就業者は5万人以上、年間の生産額は200億元以上。世界の2枚のレンズのうち1枚がここで、中国の4枚のレンズのうち3枚がここで作られる。
丹陽のメガネ産業は1960年代前半に始まる。今や現地はレンズ生産を中心に、フレーム、メガネケース、設計、研究開発、生産、供給、販売の全チェーンを形成している。
丹陽にはアジア最大の樹脂レンズ生産企業である万新光学、中国最大のコンタクトレンズ企業の海昌公司、A株で唯一レンズの生産に特化している上場企業の明月鏡片、さらには越境ECで成功しているメガネオンライン販売専門企業の淘鏡公司や、ニッチ分野のカラーレンズの「チャンピオン企業」である全真光学などがある。
顧客が欧州のメガネ店で近視メガネを注文すると、店はこれを丹陽のメガネサプライヤーの格林視通に回し、サプライヤーは注文に基づきレンズを生産した後、店に出荷する。このプロセスは約1週間の時間を要する。丹陽はこのようなレンズのオーダーメイドの注文を毎年1500万件以上受ける。
丹陽商務局のデータによると、丹陽市のメガネ輸出額は2014−22年の間に2億7600万ドルから6億6100万ドルに増えた。年平均増加率は11.52%。丹陽レンズの海外進出の成功は、地方政府と商会が海外市場開拓のために架けた橋と、経営者の世界制覇に向けた取り組みのおかげだ。