北京地下鉄9号線の後方車両で、2人の作業員が荷物を満載した緑の台車を推している。人がほとんどいない車両の中で、数人の乗客が彼らの前で携帯電話を触っている。シンガポールのサイト「エコ・ビジネス」が伝えた。
これは2023年9月、北京の都市軌道交通システム配達輸送試験の初日に見られた光景である。北京市交通委員会はWeChat公式アカウントで、全国初の都市軌道交通の非ピーク時を利用した配達輸送試験プロジェクトだと明かした。
2019年9月、中国は『交通強国建設綱要』を発行し、都市の地下物流配送を発展させることを示した。北京市交通委員会の2023年交通作業計画は、軌道交通の非ピーク時を利用した物流配送を模索するとし、北京4号線、9号-房山-燕房線を第1段試行路線に選んだ。
同計画の公布に際し、配達業界は北京で勢いよく発展している。2200万人以上の常住人口を抱えるこの都市で、運転手は1日に約1500万件の荷物を回収・配達している。その多くが道路輸送であるため、交通渋滞や路上駐車、大気汚染、二酸化炭素排出などの問題が生じている。しかし、北京地下鉄の1日の平均利用者は約1000万人で、地下鉄での宅配輸送はピーク時を避け、乗客に影響が及ばないようにする必要がある。試行実施以降、多くの北京市民から高評価を得ている。
深圳市も地下鉄配達サービスの導入を検討している。2023年8月、深圳地下鉄集団は順豊速運と「軌道物流」協力協定を結んだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年1月5日