パンダ債市場が近年拡大中で、発行も持続的に活況を呈している。「証券日報」がWindのデータを整理したところ、バリュー・デートから計算した10月16日までの年内のパンダ債発行はすでに95銘柄にのぼり、発行額が計1610億元で昨年通年(1544億5000万元)を上回っている。前年同期比(23年1月1日から10月16日で、1264億元)では約27.4%増。
中国人民銀行は発表した「2023年人民元グローバル化報告書」の「見通し」の中で、「人民元の資金調達通貨としての機能を高める」とした。これには「より多くの域外中央銀行、国際開発機関、グローバル企業グループなどの優良発行主体の域内でのパンダ債発行を支持し、政策性金融機関などのより多くの主体が域外で人民元建て証券を発行することを支持する」が含まれる。
巨豊投顧の上級投資顧問の朱華雷氏は、「今年パンダ債を発行する域外発行者の中には多くのニューフェイスがいる。多くの企業が初めて発行者リストに入った」と述べた。
パンダ債市場の魅力について、中国企業資本連盟中国区チーフエコノミストの柏文喜氏は、「資金調達コストの強みは、その主な魅力の一つだ。主要先進エコノミーが大幅に利上げする近年の環境において、人民元の資金調達コストが相対的に下がっている。中国域内債券市場は資金調達コストの比較優位を持ち、パンダ債発行は資金調達コストを下げる重要な手段の一つになった。また人民元国際化が持続的に進む中、発行者の人民元による資金調達の意欲もさらに高まっている」と述べた。
朱氏は、「中国の穏健な金融政策と相対的に低い金利環境により、パンダ債は域外発行者に低コストの資金調達方法を提供した。国際開発機関、政府系機関、金融機関、非金融企業など、パンダ債発行主体が持続的に多元化している。また中国債券市場の参加主体が豊富になり、市場が活気づいている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月17日