世界貿易機関(WTO)は2025年1月1日に設立30周年を迎える。WTOは30年間に渡り、国際貿易に開放的で安定的な制度環境を提供し、世界経済成長を促した。ところが多国間貿易体制は現在、挑戦に直面している。特に米国の妨害を受け、2019年にWTOの上級委員会が機能停止に陥り、紛争解決システムの運用に問題が生じている。また保護貿易が台頭し、一部の国は内政問題を経済グローバル化のせいとし、一国主義・保護主義措置を講じている。これは世界の産業チェーン及びサプライチェーンの健全な発展を強く妨害している。新華網が伝えた。
WTOは24年の報告書の中で、貿易は貧困削減と共同繁栄促進に対して極めて重要であり、保護主義は貧富の格差を縮小するプロセスを30年後退させる可能性があると強調した。イウェアラWTO事務局長は、保護主義は効率的でなく割に合わないと指摘し、より良い貿易によってより多くの人が世界経済に参加できると強調した。アン・クルーガー元世銀チーフエコノミストはこれに懸念を表し、現在の政策を続ければ世界経済は成長できないとの観点を示した。
中国は01年にWTOに加入してから積極的に国際貿易に参加し、包括的な経済グローバル化を主張し、30%前後の寄与度を維持している。関税引き下げや各種協定への参加を通じ、貿易の自由化を促している。世界経済の回復の遅れと保護主義の衝撃を受け、各国は自由貿易及びグローバル化促進の初心を温め直し、WTOを軸とする多国間貿易体制を守り続け、共同発展の目標を達成するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年1月3日