「ブルーエコノミー」が強い推進力に　3つの分野に見る海洋経済の新たな活力③

中国網日本語版 | 2025-07-24

全国の海洋総生産額は2024年に初めて10兆元の大台に乗った。前年比で5.9%増加し、国内総生産（GDP）に占める割合は7.8%に達した。中国の海洋経済は輝かしい「成績表」を提出した。「ブルーエコノミー」は力強い推進力を発揮し、経済成長をけん引する新たなエンジンとなりつつある。

③洋上風力が新興産業に新たなエネルギーを提供

山東能源集団の渤中洋上風力発電G地点のプロジェクトでは、軽量化・モジュール化された洋上ブースターステーションが採用され、中・低風速で10メガワット超の大型風力発電ユニットの設置に成功した。渤中洋上風力発電G地点の第1期プロジェクトが一括全容量での送電網接続（全量グリッド接続）を達成し、中国で初めて直径252メートルのローターを大規模かつ広範囲で実証した。

中国船舶集団傘下、中船科技の生産納入部の蔡梅園副部長によると、同社は川上企業から主軸などの部品を調達し、山東能源新エネルギー集団などの川下企業向けに風力発電機の主要部品を組み立てている。生産する7～18メガワット級ユニットは山東省の洋上風力プロジェクトの圧倒的な主力になっているという。

洋上風力発電は現在、徐々に大規模化・クラスター化という新段階に入り、海水資源の利用規模も増加している。中国の洋上風力発電量は2024年通年で前年比約30%増加し、経済・社会のグリーンで低炭素な発展に貢献した。全国の海水淡水化生産量は4億トン超、工業冷却用海水使用量は1800億トン超となった。

洋上風力発電や海水淡水化は、海洋新興産業の「氷山の一角」に過ぎない。海洋新興産業の付加価値額は2024年に前年比7.2%増加し、海洋経済に占める割合が上昇を続けた。海洋医薬品・生物製品業では新たなブレイクスルーが相次いでいる。青島海洋生物医薬研究院の実験室では、研究者らが関連する海洋医薬品の研究プロジェクトを加速させており、抗腫瘍免疫の海洋由来クラスI新薬「BG136」が第2臨床試験に入っている。

石主任は記者に対し、海洋産業イノベーションプラットフォームの建設も同時進行中と語った。海洋エンジニアリング設備、洋上風力発電、海洋医薬品・生物製品などの分野で、山東省、浙江省、広東省などの沿岸部が産業化を目標としたイノベーションプラットフォームの構築に積極的に取り組んでいる。海洋エンジニアリング技術、深海石油・ガス設備、深海底鉱物資源探査・開発などの分野では、国有企業が大学、研究機関、民間企業などと連携してイノベーション共同体を設立し、科学技術イノベーションと産業イノベーションの深い融合発展を力強く後押ししている。石主任は、「沿岸から遠洋へ、資源開発から生態系との協調へ。海洋経済は量から質への転換を経ている」と述べた。