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南海一号 南宋時代四大文明の再現に期待(3)宋代の造船技術を再現 |
発信時間: 2008-01-04 | チャイナネット |
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南海一号は12月21日ついに再び日の目を見た。この、世界で最も古く、船体も最大、保存状態も良い遠洋貿易船には6万~8万の文物などが眠っているとされる。それゆえ世間の人々の期待を一身に集めている。 これらの文物や船本体には、いったいどんな考古学上有益な情報がつまっているのだろうか。専門家が言うには、南海一号を引き揚げることにより、少なくとも南宋時代の文明上の四大現象が再現可能だということである。
宋代の造船技術を再現
「南海一号」沈没船は海の水面以下20数メートルのところに位置し、厚さ2メートル余の堆積した土砂に埋もれており、800年余りにわたる海水の浸食を受けてきたとはいえ、船体は完全な形で保存されており、船全体は傾いたり覆ったりすることなく、ちゃんとした形で海底に横たわっており、船体の木質は硬さを保っていた。 「『南海一号』に対し、全体として引き揚げるやり方をするの大きな理由の1つは沈没船そのものが極めて大きな考古学的価値のある情報を秘めているからである。」考古学者の魏峻氏によると、これまでに海底から引き揚げられた宋代の沈没船のほとんどは完全な形を保つことなく、破損していたが、「南海一号」はかなり完ぺきな形で保存されており、これまでに世界で発見されたものとしては年代的に最も古く、船体が最も大きな、最も完ぺきな形で保存されていた遠洋通商船である。この古い船が海底から引き揚げられたことは宋代(960-1279)の造船技術、航海技術などを知るうえで、数多くのよりどころを提供することになろう。 「南海一号」に対する前期の探査において、考古関係者たちは船体の砕片をいくつか発見しており、これらの砕片の材質の大部分はマツの木であった。マツの木は福建省、広東省、広西チワン族自治区などでよく目にすることのできるものである。そのため、「南海一号」が南中国海地域で建造された可能性がきわめて大きい。 探査の中で、潜水夫はさらに古い船の船首の位置あたりで大きな石製のいかりを発見した。いかりの長さは3メートル、厚さは約0.1メートルで、両端はやや狭く、中央部は比較的広く、ヒシ形を呈している。専門家の分析によると、これは「南海一号」の石錨ということである。これは非常に典型的な中国の宋(960-1279)・元(1206-1368)時代の石の錨である。 専門家によると、宋代と元代は中国の歴史上の造船技術が盛んに発展した高揚期であり、宋代の船は羅針盤などの航海技術を幅広く運用し、また水を遮断する客室をも発明し、「南海一号」が海底から引き上げられたことは宋代の造船工学および木造文化財の長期保存に関する研究にとって典型的な標本を提供するものである。
「チャイナネット」2008年1月4日 |
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