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07年の「中国十大考古学新発見」・河南滎陽関帝廟遺跡
発信時間: 2008-05-12 | チャイナネット

河南省滎陽市豫龍鎮関帝廟村の西南部に位置する。06年6月-08年2月にかけて、河南省文物考古研究所が連続して大規模な発掘を実施。発掘面積は約1万8500㎡。仰韶文化晚期や商代晚期、西周、東周、漢代、唐代、宋代、清代などの遺物が出土した。なかでも商代晚期の遺物が最も多い。年代的には殷墟一、二、三期に相当するが、殷墟二期が主体。

 

 

商代晚期の集落内部は機能別に区分されていた。発掘した大半の遺物は環状式に囲まれた溝の内側に分布し、住居跡は溝内の西北側に集中し、作陶工房と住居跡には明確な境界線はないが、住居と陶窯が混在していた様子はなかった。陶窯の周囲には水窯のような遺物が残っており、作陶と関係するその他の作業用竪穴もあった。作陶と窯は独立していた。溝内の南側は当時、地勢が最高のところで、比較的規模の大きな祭祀場があり、場内で火を燃やした跡や埋葬跡が見つかった。埋葬区の一部は相対的に住居跡の南側、祭祀区の西側に集中し、一部は遺跡の東北側、溝の東北の外側に集中しており、墓は比較的整然と並び、余り破壊されていない。発掘された溝の幅、深さはそれほどなく、防御機能も備えていないが、恐らくある種の活動場所を区分する境界としての溝だったのではないか。

関帝廟遺跡は、黄河以南地域で初めて発見された大規模面積の商代晩期の集落。発掘で姿を現した埋葬、祭祀、手工業工房の配置ははっきりしており、集落内部が機能別に区分されていたことを物語っている。完ぺきな形で残る商代晩期の集落の発見や豊かな遺物の大量の出土は、商代の考古学的発見では初めてであり、この時代の集落の構造や社会形態などを模索する上で重要な意義がある。

 

「チャイナネット」2008年5月12日

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