中国科学院無錫伝感網(インターネットオブシングス:IOT)工程センターの馬暁東氏は19日、「IOT(電子タグなどを用いて日常生活のさまざまなモノをインターネットに接続する技術)分野で世界の最先端を行く中国は、ドイツ、米国、英国など各国とともに、国際基準制定において主導的役割を果たすことになる」とコメントした。
江蘇省無錫新区にある中国科学院無錫IOT工程センターは、中国の「IOT」技術研究センター。温家宝総理が今年8月7日に同センターを視察した際に、IOT技術の発展を国家戦略として位置づけて以来、メディアの注目を一気に集め、「IOT」や「モノのインターネット」といった言葉が国内中を速やかに駆け巡った。
長江デルタ経済の中心都市・無錫は、マイクロエレクトロニクス・半導体産業の強固な地盤を足がかりとして、国内IOT分野でパイオニア的存在となり、中国IOTの中心・「感知中国」センターとしての地位を確立しつつある。
「IOT」いわゆる「モノのインターネット」は、電子タグなど各種情報検出装置とインターネットを結合して形成される巨大なネットワークで、あらゆる「モノ」をネットワークと接続することで、識別や管理を簡便化する。たとえば、自宅が安全な状態にあるか、在宅の高齢者に問題が生じていないかなどの情報を職場からインターネットで確認することを可能とする。「IOT」技術の用途は極めて広範で、インテリジェント交通、環境保護、公共安全など各分野の随所に及び、コンピュータ、インターネットおよび移動通信ネットワークに続く世界情報産業における第3の潮流となっている。「IOT」技術は今後3?5年で普及し、1兆元規模のハイテク市場に発展すると業界専門家は予想している。
中国における「IOT」技術は、研究段階から実用化段階に向かっており、国家電力網や空港保安などの分野でIOT技術が登場している。海爾(ハイアール)集団は、全ての自社家電製品にセンサーを装備する計画だ。また、無錫新区無錫IOT工程センターは近く、上海世界博覧会(上海万博)および浦東空港と3千万元の「不正侵入防止マイクロ波センサーシステム」の受注契約を取り交わすという。すでに国民生活に入り込んでいる中国の「IOT」は、戦略レベルから産業化・実用化に向かいつつある。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年10月23日