国家月探査計画の首席科学者で「嫦娥の父」といわれる欧陽自遠氏は10日の成都理工大学での報告会で、中国が独自に開発した宇宙ステーションの雛形「天宮1号」が来年打ち上げられることを明らかにした。人民網が11日伝えた。
2007年に中国月探査計画の一環として打ち上げられた「嫦娥1号」が大きな突破口を開いた後、中国の深宇宙探査はこれまでにない急発展の時期に入った。中国の宇宙ステーションといわれる天宮1号は計画通りに進めば来年打ち上げられる。中国は2010年にドッキング目標機となる天宮1号を打ち上げる計画。天宮1号は実際はスペースラボのモデルで、実験室と資源室の2室構造からなる。天宮1号の打ち上げ後は「神舟8号」が打ち上げられる。神舟8号は無人宇宙船で、天宮1号との自動ドッキングテストを行う。2015年までに天宮2号、天宮3号といった2つのスペースラボが立て続けに打ち上げられ、最終的には2020年に中国独自のスペースステーション「天宮」が完成する計画。
欧陽氏によると、来年の天宮1号の打ち上げは嫦娥計画と密接に関係があるという。周知のように月探査計画と切っても切り離せないのが「深宇宙探査技術」だ。中国は月探査というこれまで足を踏み入れたことのない「処女地」に対し全くといっていいほど経験がない。そのため、一歩一歩確実な深宇宙探査技術の基礎を打ち立てることが今後の嫦娥計画に向けた経験の積み重ねになる。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年11月12日