中国第26次南極観測隊は南極最高点「ドームA」に波長範囲の広いテラヘルツ・フーリエ分光器を設置し、人類がドームAで天文観測を行う新たな窓口を開く。新華社のウェブサイト「新華網」が25日伝えた。
中国南極天文センターの天文学者で天津師範大学の商朝暉教授によると、中国が現在ドームA天文観測基地に設置しているサブミリ波電波望遠鏡「Pre‐Heat」が450ミクロンの単一周波の信号を観測するのに対し、中国科学院紫金山天文台が開発したテラヘルツ・フーリエ分光器は20ミクロンから400ミクロンの波長で動作し、受信周波範囲は15THzから0.75THzに達するという。
中国の天文学者は今後、ドームAに口径が大きく、観測能力が高い光学望遠鏡と電波望遠鏡を設置していく予定だ。今年末から来年年初まで行われる第26次南極観測で、商教授は中国科学院南京天文光学技術研究所の胡中文氏と内陸氷床観測隊に同行してドームAに向かい、テラヘルツ・フーリエ分光器を設置するほか、来年の「シュミット望遠鏡群」設置に向け準備を整える。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年11月26日