
車内でも同じだった。東京の地下鉄の車内は座席が色分けされており、緑は携帯電話を使用しても良いエリア、しかし通話はできない。赤は高齢者やケガ人、身体障害者、妊婦などの優先座席、このエリアでは携帯電話は一切使用できない。非常に得がたい移動空間だが、さらに得がたいのはそのルールを守る乗客のマナーだ。車内での第一印象はなんといってもその静けさだ。極めて静かだ。乗客の多くは居眠りをしており、起きている人は読書をしたり携帯電話でメールを打ったりしていて、大声で話しをしている人は一人もいない。ついさきほどまでホームで楽しく雑談していた二人も、電車に乗った瞬間ピタッと会話を止めていた。どんなに混み合った車内でも、あまりの静かな空間故に、心も静まり、まったく苛立つことがなかった。
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